仮想通貨規制への影響が懸念される決定
2025年3月28日(金曜日)、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米国大統領は、仮想通貨デリバティブ取引所BitMEX(ビットメックス)の共同創業者ら3人に対して恩赦を与えた。
米国のトランプ大統領は、アーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏、ベンジャミン・デロ(Benjamin Delo)氏、サミュエル・リード(Samuel Reed)氏の3人に加え、元従業員のグレゴリー・ドワイヤー(Gregory Dwyer)氏とBitMEXの運営法人に対して恩赦を与えた。この決定は、仮想通貨業界における規制の在り方や金融犯罪への対応に大きな影響を与える可能性がある。
トランプ政権はこれまで、金融市場の自由化を推進する姿勢を見せてきたが、今回の恩赦もその一環と考えられる。一方で、規制強化を求める声もあり、この決定が新たな波紋を呼んでいる。
BitMEX創業者の起訴と恩赦の背景
BitMEXは一時期、世界最大級の仮想通貨デリバティブ取引所として運営されていた。しかし、2020年10月、米国当局は創業者らが適切なAML(マネーロンダリング)対策や顧客確認を実施していなかったとして、銀行秘密法違反の罪で起訴した。
創業者3人の処分内容
- アーサー・ヘイズ :懲役6カ月の自宅監禁、罰金1,000万ドル
- ベンジャミン・デロ :懲役30カ月の執行猶予、罰金1,000万ドル
- サミュエル・リード :執行猶予付きの刑、罰金1,000万ドル
3人は有罪を認め、2022年5月には裁判所からそれぞれ1,000万ドルの民事罰金の支払いと、将来的な商品取引法およびCFTC(商品先物取引委員会)規制の違反を禁じる命令を受けていた。今回の恩赦により、刑の執行は免除されることとなった。
業界の反応と今後の展開
この恩赦に対し、仮想通貨業界では賛否が分かれている。
支持派からは「仮想通貨業界への規制が厳しすぎる。今回の決定は適切だ」との声が上がり、市場の発展を促進するためには過去の規制の見直しが必要だとする意見が多い。
一方で、批判派は「金融犯罪に対する前例を作ることで、今後の規制が曖昧になる可能性がある」と懸念を示しており、規制違反者に対する姿勢が緩むことで仮想通貨の信頼性が損なわれるのではないかとの指摘もある。
さらに、一部ではTerra(テラ)の創業者ド・クウォン(Do Kwon)氏も恩赦の対象になる可能性が取り沙汰されている。
仮想通貨規制への影響
今回の恩赦は、米国の仮想通貨規制の方向性に大きな影響を与える可能性があり、政府のスタンスが変わる可能性があるだけでなく、他の仮想通貨関連の刑事事件にも影響を及ぼすことが考えられる。
特に、仮想通貨業界全体としては、この決定が米国の規制方針にどのような影響を与えるのか慎重に見極める必要がある。恩赦によって仮想通貨関連の法的責任が軽減される前例ができると、他の仮想通貨企業や業界リーダーにも影響を及ぼす可能性がある。
今後、米国の金融当局や国際機関がどのように対応するのか、その動向に注目が集まっている。