ヒラリー・クリントン氏、ドルの世界予備軍の地位保護のため仮想通貨規制を提唱

ヒラリー・クリントン氏が仮想通貨市場の規制を要求

元ファーストレディで米国国務長官のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は最近、バイデン政権に仮想通貨市場を規制するよう求めたことが明らかになった。

NEXTMONEYの特集記事「ヒラリー・クリントン、仮想通貨がドルを破壊し、国を滅ぼす可能性があると指摘」で報じたように、ヒラリー氏は、仮想通貨が国を不安定にする可能性があると危惧している。同氏は、仮想通貨について、ロシアや中国によって操作される可能性があると考えており、世界の準備通貨としてのドルの地位を脅かす可能性があるとの見解を示している。

MSNBC「Hillary Clinton: New Rules Needed To Guard Against Tech Company Abuses」より画像引用

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ヒラリー氏は11月24日(水曜日)、ニュース専門放送局MSNBCのレイチェル・マドー(Rachel Maddow)氏との対談で、反仮想通貨のスタンスを示しており、特定の仮想通貨チェーンを通じてロシアや中国が多額のお金を集めていることに懸念を示している。2016年の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏と争ったことで知られているが、仮想通貨に関してはどちらも同じく批判的な意見を持っており、次のように語っている。

私たちは、中国やロシアなど、あらゆる種類のテクノロジーを有利に操作しているだけではありません。私たちは国家と協力して、準備通貨としてのドルを不安定にする非国家主体を検討しています。


米国はランサムウエアをテロと同じレベルに引き上げ

実際、クリントン氏は悪意のある国や人物に仮想通貨が関与することで、国民国家や世界市場に直接脅威を与える可能性があると警告している。

バイデン政権に関しても、仮想通貨関連の国家安全保障上のリスクに対応しはじめており、2021年に起きたJBSとコロニアルパイプラインに対するランサムウェア攻撃を受けて、ランサムウェアをテロと同様の優先レベルに引き上げている。特に2021年は、国家安全保障の問題における仮想通貨の影響の増大を浮き彫りにし、イスラエルとの新たな紛争の中で、ハマスはビットコインの寄付が急増している。

クリントン氏の指摘とは裏腹に、中国政府は5月にすべての仮想通貨マイナーを国境から完全に禁止し、中国のビットコインハッシュレートへの影響力は失いつつある。その一方で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、仮想通貨を正当な支払い手段として認識しており、ビットコインは石油を購入するためのドルに代わる潜在的な将来の選択肢と考えている。

また、ロシアで最も有名な超高層ビルVostok は、仮想通貨ハッカーの本拠地となっており、仮想通貨のハッキング、サイバー犯罪、マネーロンダリングの温床となっている。そのため、クリントン氏が指摘しているように、仮想通貨が誤った使われ方がされることにより、米ドルの立場が脅かされる可能性は否定できない。

ヒラリー・クリントン、仮想通貨がドルを破壊し、国を滅ぼす可能性があると指摘

2021.11.22