ヒラリー・クリントン氏が仮想通貨が米ドルを弱体化させると指摘
元民主党大統領候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は、初期の資産クラスが準備通貨としての米ドルの役割を弱体化させる可能性があると主張している事が分かった。
ヒラリー氏は、仮想通貨が国を不安定にする可能性があるとの意見を述べており、夫であるクリントン元大統領は、11月19日(金曜日)にシンガポールで開催されたブルームバーグ新経済フォーラムの場にて、ヒラリー氏の意見を共有した。議論の中で、クリントン氏は国民国家に対し、仮想通貨産業の台頭にもっと注意を払うよう呼びかけ、次のように述べた。
非常に不安定になる可能性のあるまったく新しい活動の層があります。悪意ある人や、悪意ある人々との同盟関係において、多くの国民国家、そして確かに世界の通貨市場に対する直接の脅威となる可能性があります。
クリントン氏の意見は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)は詐欺のようであり、米ドルを打ち負かそうとしている単なる別の通貨であると述べたドナルド・トランプ(Donald Trump)前米国大統領の意見を反映している。
各国の政府は仮想通貨市場をコントロールおよび抑制しようとし続けており、中国は仮想通貨取引を禁止する厳しい規制を制定し、仮想通貨に対して否定的な立場を世界へ知らしめている。
Take crypto-currency or bitcoin for example.
It is important that all democratic nations work together on this and ensure it does not end up in wrong hands, which can spoil our youth: PM @narendramodi
— PMO India (@PMOIndia) November 18, 2021
仮想通貨やビットコインを例にとってみましょう。
すべての民主主義国家がこれに協力し、それが私たちの若者を台無しにする可能性のある悪意ある手に渡らないようにすることが重要です。
インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、より保守的なアプローチを取り、仮想通貨市場が悪意のある人の手に渡らないようにするため、民主主義国家が協力する必要があると述べている。
一方、米国は仮想通貨がもたらす国家安全保障上のリスクに積極的に取り組んおり、バイデン政権は、悪意を有する攻撃者が2021年初めにコロニアルパイプラインをハッキングした後、NEXTMONEYの特集記事「米国司法省が全国仮想通貨執行チームの設立を発表」で報じているように、仮想通貨関連のランサムウェア攻撃に取り組むためのタスクフォース結成を発表。また、「IRSがジョー・バイデン政権の税制でスタッフを2倍にする可能性が浮上」銀行と仮想通貨取引所が、政府とのより厳しいガイダンスに準拠す計画を立てており、スタッフを2倍にする計画も浮上。これに加えてホワイトハウスは、ハッカーがランサムウェア攻撃を受ける収益を追跡するのに役立つ情報と引き換えに、最大1,000万ドル相当の報奨金を提供すると発表。バイデン大統領は、物議を醸している1兆ドルの米国インフラ法案に署名。現時点でまだ発布されていないものの、インフラ法は仮想通貨ブローカーに対してより厳しい報告要件を導入する厳しい規制の始まりと捉えられている。
技術革新は止まることはない
世界中の政府が仮想通貨市場への規制に苦労する一方で、世界最大の仮想通貨取引所Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬=CZ)CEO(最高経営責任者)は、セクターの繁栄を支援するために賢明な規制を導入する必要があると示唆している。
CZ氏によると、仮想通貨は通貨でも商品でもなく、それが将来の金融システムを動かす技術であると主張している。同氏は、ブルームバーグ新経済フォーラムでこの意見を述べ、技術革新は遅いペースで進行する可能性があるが、止まることはないことを指摘した。