ArbitrumがPrysmatic Labsを買収
イーサリアム(Ethereum)レイヤー2スケーラビリティソリューションの背後にある商業エンティティArbitrum(アービトラム)は、イーサリアムのPoS(Proof-of-Stake)への移行の主なプレーヤーであるPrysmatic Labsの買収を発表した事が分かった。
統合後、イーサリアム ノードの43% がPrysmaticの主力ソフトウェア製品であるPrysmを実行している。最新ブログによると、Prysmatic Labsは2018年からPoSに取り組んでいた。同社は、シャーディングに重点を置き、イーサリアムブロックチェーンの未来に貢献し続けている。これは、Ethereum Improvement Proposal 4844 (EIP-4844) およびMEV(Maximum Extractable Value=抽出可能最大値)管理研究に準拠している。MEVは、イーサリアムの標準的なブロック報酬とガス料金に加え、最大報酬を生み出すためにトランザクションを並べ替える方法を指すとのこと。
買収後もPrysmaticはPrysmの開発を継続
Offchain Labs のスティーブン・ゴールドフィーダー(Steven Goldfeder)CEO(最高経営責任者)はプレス リリースで次のように述べている。
イーサリアム コミュニティへの献身は、イーサリアムエコシステムで広く使用されているクラス最高の製品を通じて示されています。イーサリアムを拡大するために協力する中で、Prysmatic Labsチームの統合を楽しみにしています。
買収後、PrysmaticはPrysmの開発を継続。これは、プログラミング言語であるGoを使用した、イーサリアムのPoSコンセンサスクライアントソフトウェアのオープンソース実装であり、Goは、分散システムで複数の操作を非同期に実行するのに役立つという。Prysmatic Labsでは、誰でもソフトウェアをダウンロードしてイーサリアムノードを実行できる。ただし、バリデータとしてネットワークに参加するには、32 ETH(約600万円、CoinMarketCap調べ)を賭ける必要がある。
Offchain Labs によると、イーサリアムでは、コンセンサスとデータの可用性を処理するレイヤー1(L1)機能に取り組んでいるチーム間のコラボレーションを強化する必要があるという。また、速度とスケーラビリティに重点を置いたレイヤー2(L2)に取り組んでいるグループであり、このパートナーシップはイーサリアムの未来にとって明るい前兆と言える。なお、Offchain は、両社が詳細を明らかにすることなく、将来的に複数のL1およびL2イニシアチブで協力することを計画していると述べた。