大手仮想通貨取引所Binanceがアイルランドにグローバル本社を設立か

Binanceがアイルランドに本社設立を示唆

大手仮想通貨取引所Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEO(最高経営責任者)は、アイルランドが新しい故郷になるかもしれないとほのめかしている事が分かった。

本社を持つことがBinanceにとって常にデリケートなトピックであり、最近の規制上のハードルのいくつかを踏まえて、ジャオCEOは、会社が1つ以上の場所に定住しなければならないことをいくつかの機会に提案。現地メディアのIrish Independentの報道によると、定住候補地の1つがアイルランドになることを報じた。アイルランドが候補地に該当するか尋ねられた同CEOは、「はい、そうです」と答え、同社が分散型の原則を手放す理由を次のように説明した。

私たちが最初に始めたとき、私たちは分散型の原則を採用したかったのです。本社はなく、世界中で働き、国境はありませんでした。一元化された交換を実行することは今では非常に明確です。その背後に一元化された法人構造が必要です。


仮想通貨サービス提供に快適なアイルランド

2021年9月下旬、同取引所はアイルランドにBinance(APAC)Holdings、Binance(Services)Holdings、BinanceTechnologiesの3つの会社を設立し、現在はBinance Exchange(Ie)という名前の4番目の会社を確立している。

アイルランドは、仮想通貨サービスを提供する機関にとって好環境の地である。2021年5月、米国で最も古い銀行のBNYメロンは、アイルランドの東部、ダブリン(Dublin)に「デジタルイノベーションハブ」と呼ばれる新しいデジタル資産ユニットを設立。これは、仮想通貨とNFT(非代替性トークン)管理者として機能するという。さらに数カ月後には、PayPalもアイルランドに仮想通貨チームを結成させており、地元の人々がビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他の仮想通貨への関心を高めていることを説明した。

Binanceと規制当局との問題

2017年に中国で設立された仮想通貨取引所であるBinanceは、政府からの敵対的な仮想通貨のスタンスを受け、同年、中国外への移動を余儀なくされた。

ここ数カ月間Binanceは、英国FCA(Financial Conduct Authority =金融行動監視機構)など、世界中のさまざまな規制当局からの反発を受けてきた。それらは、当NEXTMONEYの特集記事「Binanceが人民元(CNY)を規制圧力の高まりとして上場廃止を発表」、「規制激化の中で、Binanceが南アフリカのデリバティブを停止」、「Binanceシンガポール、顧客へ法定通貨預金、仮想通貨取引・購入を停止」、「規制上の懸念の中でBinanceはオーストラリアでのBinanceAxesデリバティブ取引を停止」など、複数回報じている。6月には当局側によって、同取引所は「重大なリスク」をもたらし、効果的に監督することはできないと指摘している。

これらの問題を解決しようと試みたジャオCEOは、9月に会社の構造を変更させ、本社を一元化した認可金融機関に変えることを宣言し、その数日前には次のように述べている。

私たちは規制を望んでいます。私は完全な自由主義者ではなく、アナキスト(※無政府主義者)でもありません。

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