Binanceがオーストラリアでのデリバティブ取引を停止へ
取引量で世界最大を誇る仮想通貨取引所Binanceは、オーストラリアの顧客に提供している先物、オプション、レバレッジトークンを停止すると発表した事が分かった。
Binanceは最近、オーストラリアの規制当局からの圧力により、NEXTMONEYの8月20日付特集記事「Binanceがオーストラリアでの仮想通貨デリバティブ提供をキャンセル」で報じているように、オーストラリアの顧客は先物やオプション契約などのデリバティブ取引ができなくなると発表したばかりである。Binanceは、オーストラリア規制当局による具体的な警告内容などは明らかにしていないが、現地の規制に準拠するため、デリバティブ取引を削除することを決定したと述べており、発表の中でBinanceは次のように述べている。
2021年9月24日(金曜)9:00AM(UTC)から既存のオーストラリアのユーザーは、先物、オプション、レバレッジ製品のポジションをクローズするために90日間の猶予が与えられます。ユーザーは、証拠金の清算を防ぐために残高入金はできますが、新しいポジションを持つことはできません。
なお、90日間の猶予期間が終了すると、取引所はすべてのオープンレバレッジポジションを強制的にクローズすると発表している。Binanceによるデリバティブ取引が制限されたのはこれまででオーストラリアの顧客だけではなく、先月には「Binanceが香港の仮想通貨デリバティブサービスの閉鎖を発表」で報じたように、香港でのデリバティブ取引サービスの提供も停止している。
さらにBinanceは、オランダ、ドイツ、イタリアなど、他の多くの国でのデリバティブ取引を停止しており、取引所によると、ヨーロッパ諸国ではこれらのサービスを停止することを決定したとのこと。現在Binanceは複数の規制当局から警告を受けており、Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEO(最高経営責任者)は、規制に対してより積極的なアプローチを取る姿勢を明らかにしており、次のように語っている。
私たちの目的は、ブロックチェーンテクノロジーとデジタル資産の周りに持続可能なエコシステムを作成することです。 Binanceは、市場のユーザーが規制当局とより強力に協力する機会をもたらすため、業界の規制フレームワークの発展を歓迎します。
仮想通貨取引所の多くはマネーロンダリングを含む金融犯罪の温床との認識もあり、一部の国やオランダ中央銀行などの中央銀行は、市場での仮想通貨取引所の運用を制限し続けている。そのため、2021年は、規制の観点から仮想通貨業界にとって注目を集めている年であり、米国およびその他の国の多くの金融監視機関は、このセクターを規制することをさらに強く求めている。