USDeステーブルコインがローンチから4カ月で30億ドルの供給量を記録
Ethena LabsのUSDeステーブルコインは、ローンチからわずか4カ月で供給量が30億ドル(約4,716億円)に達した同カテゴリーの仮想通貨として初めて記録を打ち立てた事がわかった。
「合成ドル」としても知られるUSDeは、2024年2月にローンチされ、裁定取引(※1)の仕組みと利回りのあるキャッシュアンドキャリー取引を通じてペッグを維持している。
異なる市場間での金利差や価格差を利用し、無リスクあるいは最小のリスクで利益を確定する取引
持続的な成長と市場シェア
USDeの供給量は2024年4月5日(金曜日)、20億ドル(約3142.9億円)のしきい値を超えて以降、ステーブルコインは供給量がさらに10億ドル(約1571.5億円)増加している。
最大のアルゴリズムまたは分散型ステーブルコインとしてダイ(Dai/DAI)に挑戦する軌道に乗っている。この仮定は、合成ドルの成長率に基づいており、DAIと競合するにはさらに20億ドルの供給を引き付ける必要があることを認識。特に、USDeの目覚ましい成長により、USDeはステーブルコイン市場全体で4位となり、3.3%の市場シェアを獲得している。しかし、この数字は、57%のシェアでステーブルコイン市場をリードする主力ステーブルコインであるテザー(Tether/USDT)と比べると、まだ見劣りする。
保守的な仮想通貨ユーザーは、USDeの成長は悪名高いTerraform Lab(テラフォーム・ラボ)のUSTステーブルコインを思い出させると考えている。しかし、前者は異なるトークンメカニズムを誇っており、USDeの利回りは、キャッシュアンドキャリー取引(※ベーシス取引=複数市場の価格差から利益をあげる戦略)とステーキング収益から得られ、その後、保有者と共有される。有名な仮想通貨取引所であるBybit(バイビット)が最近USDeを統合し、イーサリアム(Ethereum/ETH)とビットコイン(Bitcoin/BTC)とのスポット取引ペアを提供していることも注目に値する。
最近のエアドロップと市場への影響
USDe は、認知度と採用を高める戦略として、4 月にガバナンストークンENAのエアドロップを開始している。
この取り組みは、市場供給の大幅な急増と一致している。CoinmarketCapのデータによると、USDeの時価総額は現在19億8,000万ドル(約3,110億円)で、トークンは1ドル弱で取引されており、過去24時間で1.99%のわずかな下落を示している。
USDe が仮想通貨ステーブルコイン市場で急成長したことは、分散型金融の状況を一変させる可能性を強調。DAIやテザーなどの既存プレイヤーとの競争に直面しているものの、USDeの独自のインセンティブとメカニズムは競争上の優位性をもたらす。市場が進化し続けるなか、USDe の進歩と戦略的取り組みは、長期的な地位を決定づける重要な要素となると期待されている。