米大手が株式と仮想通貨を統合する先物商品を発表
コインベース(Coinbase)は、主要テクノロジー株と仮想通貨ETF(上場投資信託)をひとつにまとめた先物商品「Mag7 + Crypto Equity Index Futures」を発表した。
取引開始は2025年9月22日で、まず機関投資家向けに提供し、その後に個人投資家へ広げる計画だ。
Mag7 + Crypto Equity Index Futuresは、Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Nvidia、Meta、Teslaの七銘柄に、ビットコインETFのIBIT、イーサリアムETFのETHA、コインベース株を加えた合計10の構成で設計される。
各構成要素の配分は一律10%。契約は月次で現金決済となる。四半期ごとにリバランスを実施し、市場の変化や構成の見直しに対応する。インデックスプロバイダーはMarketVectorが務める。
提供スケジュールと関連商品
取引開始は9月22日。当初は機関投資家が対象で、提携プラットフォームを通じて個人にも展開する予定だ。あわせて、Mag7銘柄に連動する株式指数先物も上場される計画で、こちらはCF Benchmarksが指数計算を担当する。各契約は指数価値の百分の一に相当する。
規制枠組みと戦略的狙い
新商品は、コインベースのCFTC規制下のデリバティブ取引所に上場される。
同取引所はすでにビットコインとイーサリアムの先物を提供しており、株式連動ベンチマークの導入で商品群が広がる。アクセスは先物取引業者や仲介業者を通じて可能となる。SECがトークン市場で執行を続ける一方、先物はCFTCの監督領域にあり、規制の明確さが提供面での追い風になる。
市場背景と拡張路線
コインベースはデリバティブ分野の拡張を進めてきた。デリバティブの取引高は足元で活発化し、8月25日には日次で99億ドルに達したとの社内データもある。
株式と仮想通貨を単一契約で扱う今回の設計は、個別に取引されてきた資産クラスの橋渡しを狙うものだ。まずは機関の需要を取り込み、その後に個人へ裾野を広げる。競合でも商品拡大が進み、KrakenはNinjaTrader買収後にデリバティブの提供を強化している。コインベースは差別化として、大型テクノロジー株と仮想通貨ETFを同時に組み入れる点を前面に出す。