QCBカタール中央銀行がデジタル通貨プロジェクトのためのインフラを整備

カタール中央銀行がデジタル通貨プロジェクトを開始へ

QCB(Qatar Central Bank:カタール中央銀行)は、大いに宣伝されているCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)プロジェクトのためのインフラ開発が完了し、デジタル通貨プロジェクトを開始した事がわかった。

日本語訳:
カタール中央銀行がデジタル通貨プロジェクトを開始

今回の動きは、同国におけるデジタル経済構築に向けた重要なマイルストーンであり、戦略的ステップとなる。2024年10月まで続く最初の実験段階に入るこのプロジェクトは、AI(人工知能)技術、DLT(分散型台帳技術)、新興技術の活用を含む一連の主要目的の達成と、プロジェクト実施中の情報セキュリティに関する側面を考慮した金融市場施設への参加拡大による流動性向上のための強固な基盤の確立を目指しており、QCBは次のように述べている。

この実験結果は、QCBが将来採用するさまざまなユースケースを特定するための基礎となり、現在のシステムの効率性向上と即時決済に貢献するだろう。


国内および国際銀行グループとのアプリケーションテストと開発

この分野で実施された包括的な調査を無事完了した後にQCB は、最新の高度な技術に基づいて設計された試験環境で、CBDC が国内および国際銀行のグループと大規模な支払いを決済するための選択されたアプリケーションのテストと開発を進めていく予定だ。

同プロジェクトは、国内で事業を展開する銀行の資本市場へのアクセスを増やし、国内決済を強化していくほか、証券取引の効率を向上させるための CBDC のアプリケーションに焦点を当てる。QCBによるこの動きは、第3次金融セクター戦略、フィンテック戦略、カタール国家ビジョン2030に沿ったもので、同国内の金融セクターを規制および開発するための継続的な取り組みに基づいているとのこと。CBDCは、国のデジタル形式の法定通貨であり、中央銀行によって管理される。さまざまなレポートによると、中東などの貿易地域は、エネルギーと世界貿易のトレンドが変化する中で、CBDCを活用できる独自の立場にある。

最近終了したカタール経済フォーラムで、QCBのシェイク・バンダル・ビン・モハメド・ビン・サウド・アル・サーニ(Sheikh Bandar bin Mohamed bin Saoud al-Thani)総裁は次のように述べている。

われわれは基礎段階にあり、CBDC発行の長所と短所を評価している。


最新技術への投資の必要性を確認

カタール中央銀行は、地域および世界の金融・銀行部門が目撃しているデジタル変革に後れを取らないよう熱心に取り組み、最新技術への投資の必要性を確認している。

同総裁は、第3次国家開発戦略2024-30に沿い、デジタル変革のペースを加速するために新興技術を採用する先駆的なシステムを構築することを目指しているという。大半の国はまだ研究開発段階にあるCBDCだが、いくつかの国はすでに試験を開始しており、開発段階を超えているとの報告がある。アトランティック評議会の報告によると、87カ国がCBDCの作成に取り組んでおり、これは世界のGDP(国内総生産)の9割以上を占めるという。デジタル通貨の人気が高まるなか、世界の金融部門は変革に向けて準備を進めている。

湾岸地域では、2023~26年の戦略の一環として、UAE中央銀行がデジタル通貨の導入を準備している。2021年5月、バーレーン中央銀行はJPモルガンおよびABC銀行と連携し、国境を越えたデジタル通貨決済のパイロットプログラムの開発を開始させている。QCBは、金融セクターの成長に有利な環境を作り、新興技術の広範な採用を刺激し、さまざまな分野で技術革新を促進するのに役立つ、際立った価値あるイニシアチブを導入するという継続的な取り組みを再確認している。

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