シンガポール最大のDBS銀行が6億5000万ドル以上のETHを保有

DBS銀行が6億5000万ドル以上のETHを保有か

ブロックチェーン分析会社Nansen(ナンセン)は、スポットレートで6億5,000万ドル(約1022.6億円)以上に相当する173,700イーサリアム(Ethereum/ETH)を管理する1つのイーサリアムアドレスが、シンガポール最大の銀行であるDBS銀行(DBS Bank:星展银行有限公司)に属していることが明らかになった。

ブロックチェーン分析プラットフォームは、この金融機関のものとして「0x9e927…fb8e」というアドレスを選び出し、関心と興奮を呼び起こした。Etherscan(イーサスキャン)を見ると、このアドレスは最大級のもので、世界で2番目に価値のある仮想通貨の最大保有者トップ40に入っているとのこと。同銀行はこのリストの中でも際立っており、主にBinance(バイナンス)やKraken(クラーケン)といったトップクラスの仮想通貨取引所と肩を並べており、銀行が仮想通貨のトッププレーヤーの一角を占めるという事実は、まだ進化を続けている業界にとって大きな後押しであり、お墨付きである。

DBS Digital Exchangeの立ち上げによってデジタル資産の取引が可能に

心強いことに、特に米国の規制当局による規制の明確化によって、より多くの金融機関がデジタル資産を歓迎するようになると期待されている。

同銀行が投資としてETHを保有しているかは疑わしく、2023年、同銀行はDDEX(DBS Digital Exchange)を立ち上げており、このプラットフォームを通じて、銀行は認定投資家がETHを含むいくつかのデジタル資産を取引できるようにした。ただし、それでも制限はあり、例えば、DBS TreasuriesはETHや他のコインの対内・対外送金を許可しておらず、米国市民の参加も制限されている。とはいえ、DBSが資本市場とカストディにおける幅広い経験を活かして取引所を立ち上げることを決定したことは強気材料であり、これは、銀行の階層が、固有のボラティリティにもかかわらず、仮想通貨のような新興資産クラスに慣れているというシグナルである。

今のところ、DBS銀行は、彼らがアドレスを管理しているかどうか、そして保有するETHが彼らの投資であるかどうかを明らかにしなければならない。同時に、銀行は6億5,000万ドル以上のETHが取引所に帰属するかどうかを公表しなければならず、Etherscanのデータから、このアドレスへの最初の取引は974日前に行われたとのこと。

アジア太平洋地域における仮想通貨普及にて主導的な役割を果たす

一方で、消費者データの提供を手掛けるStatista(スタティス)によると、シンガポールはアジア太平洋地域における仮想通貨の普及において主導的な役割を果たしてきた。

2023年だけでも88件の取引があり、複数の仮想通貨企業が6億2,500万ドル(約983億円)以上を調達している。また、シンガポールは、香港との競争が激化するなか、政府の好意的な政策や採用を通じて、仮想通貨推進の主要ハブとしての地位を強化したいと考えているとみられる。さらに、2024年4月上旬、シンガポールは仮想通貨企業に対するマネーロンダリング(資金洗浄)対策を強化しており、同国の規制当局であるMAS(シンガポール金融管理局)は、金融規制を変更すると発表。決済サービス法の改正により、規制当局はデジタル資産の保管や国境を越えた決済などを見過ごすことができるようになるとのことだ。