クリプトドットコム(Crypto.com)がトークン取引社内チーム配備疑惑に対応

Crypto.com(クリプトドットコム)が疑惑に対応

仮想通貨取引所クリプトドットコム(Crypto.com)が、利益を得るため、内部の自己勘定取引チームを配備していると英国系経済紙フィナンシャルタイムス(Financial Times ※以下FTと表記)が報じた事が分かった。

シンガポールを拠点とする同取引所は、トップ10の仮想通貨取引所の1つでもあり、マーケットメイキングチームだけでなく、自己勘定取引も運営していると、内部事情を知る5人の人物がFTに語った。ほとんどの市場では、マーケットメイキングとプロップトレーディングの活動の背後にあるのは、別々の民間企業であり、同取引所は、最も競争力があり透明性の高い価格で買い手と売り手をマッチングさせている。

取引に一切関与していないという宣誓陳述するよう圧力か

米国の規制当局は、内部のマーケットメイキング活動を支援する取引所を取り締まり始めている。

2023年6月初め、SEC(米国証券取引委員会)は、仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が、ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)が運営する取引会社を利用し、プラットフォームの取引量を人為的に膨らませる操作的取引に従事していたとして告発。SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、次のように述べている。

これらの取引プラットフォームは、自らを取引所と呼んでいるが、多くの機能を併せ持つものである。伝統的な金融では、ニューヨーク証券取引所がヘッジファンドも運営し、市場を作っているのを見ることはない。

2016年にCrypto.comが立ち上げられて以来、取引所の内部取引についてはあまり語られることはなかったが、ある情報筋は、Crypto.comの幹部が他の取引所にCrypto.comは取引に一切関与していないという宣誓陳述をしたと主張。

日本語訳:
FT:仮想通貨取引所Cryptocomは、取引のオーダーブックの流動性を向上させるために、顧客の取引相手となる内部の独自取引チームとマーケットメイキングチームを運営し、ブローカーモデルとして運営されています。
クリプトコム幹部らは、他の外部取引会社には「トレーディングには全く関与していない」とし、従業員には「内部マーケットメーカー型の業務は存在しないと言う」よう求めた。

さらに、別の情報筋は、取引所が従業員に対し、内部マーケットメーカー型の業務はないと言うよう求めたと語っている。なお、Financial Timesの質問に対しCrypto.comは、次のようにコメントしている。

Crypto.comの取引所で運営する内部マーケットメーカーを持っており、その内部マーケットメーカーは、プラットフォーム上でタイトなスプレッドと効率的な市場を同じように促進するサードパーティのマーケットメーカーと全く同じように扱われています。これは議論の余地ある慣行ではありませんと。優先事項はすべての参加者にとってより効率的な市場になるため、オーダーブックの流動性とスプレッドの低下を継続的に改善することであり、取引チームはお金を稼ぐことだけを目的としており、取引所を促進するわけではありません。