欧州委員会が仮想通貨取引所ウォレットへの新たな制裁を発表
欧州委員会(European Commission)は、ロシアに対する制裁を拡大し、仮想通貨ウォレットと関連サービスに対し、第8回制裁措置を追加承認したことを発表した事が分かった。
発表によると、同委員会は、ウクライナとの紛争により、ロシア連邦に対して8つのパッケージを実施。これにより同委員会は、新政策を通じ、それらの仮想通貨の総価値にかかわらず、ロシアの個人および居住者に対するウォレット、口座または保管サービスの提供を完全に禁止すると説明している。
欧州委員会によると、以前に関連規制が実施されていたものの、1万ユーロ(約140万円)未満のウォレットはこれらが制裁対象外(第5回経済制裁)であったことが示されている。
ウクライナ侵攻を継続させないことを目的としたロシアへの制裁
今回発表された新たな制裁は、ロシアのインフラ主要部分に悪影響を与え、ウクライナ侵攻を継続させないことを目的としており、欧州委員会は、紛争がウクライナに対する違法な戦争へとエスカレートしていると主張している。
また、欧州委員会は、ロシアの軍事インフラとウクライナに兵力を動員する能力に加え、ロシアの収益力をターゲットにしており、EU(ヨーロッパ連合)は、同国の金融能力と技術力を攻撃するために、70億ユーロ(約9,915億円)以上の禁止措置と輸出制限を課したとのこと。新制裁は、ロシア連邦から技術部品や欧州経済のサービスを奪うことになると期待されており、欧州国民が特定のロシア企業で役職に就くことを禁じたり、特定の商品や設備を同国に供給したりすることも含まれており、同委員会責任者は次のように述べている。
ロシアの継続的な侵略がもたらす地政学的、経済的、金融的な影響は明らかであり、戦争は世界の商品市場、特に農産物やエネルギーを混乱させています。この制裁によりこれらの問題に対処していこうと考えています。
制裁国からすべての仮想通貨関連サービス禁止の必要性を強調
ロシアによるウクライナ領土併合を受け、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏率いる同国は、ルハンスク州をはじめ、ケルソン州、ザポリツィア州、ドネツク州のロシア領土への統合に投票することを認める住民投票を実施している。
しかし、欧州委員会は、この行為を「違法な併合」と分類し、投票プロセスを見せかけであると指摘。その意味で、新たな制裁は、金融圧力を回避するためにロシアの能力を試みることになると考えられている。なお、同委員会は、仮想通貨の禁止を発表した加盟国は、この国からすべての仮想通貨ウォレット、ユーザー、および親権サービスを禁止する必要があると述べている。