SECによるステーブルコイン規制願望
経済専門ニュースを提供する大手メディアBloombergが10月26日(火曜日)に報じたニュースによると、米国SECはステーブルコインに対する権限をまもなく獲得する可能性があり、新ルールは、銀行預金と同様の方法でステーブルコインを規制する可能性が浮上した。
Bloombergによると、米国債やその他の政府機関は、SECにステーブルコインに対する新しい権限を与えるレポートをまもなく公開する予定という。このポリシーは、ステーブルコインのテザー(Tether/USDT)やCircle(サークル)のUSDコイン(USD coin/USDC)など、中央集権型で発行されたステーブルコインに加え、Binance USD、TrueUSD、PaxDollarなどの他のステーブルコインにも適用される事が考えられる。現在銀行預金に適用されている規則と同様の規則では、企業は免許を取得する必要がある。このアプローチは、将来的に商業銀行になることを計画しているCircleのようなステーブルコイン会社からの支持を得ている。
これまで、SECは主に、返品を約束してトークンを販売する仮想通貨プロジェクト、特にICO(Initial Coin Offering=新規公開仮想通貨)または同様の販売を行う企業の規制に重点を置いてきた。これらの様な形態の資産は通常、ハウイーテスト(※1)では”投資契約”と見なされます。
1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定められたもので、ある取引が「投資契約」という証券取引法の定義に該当するかどうかを判定するテストを言う。
SECが権限を求めているのはなぜか
SECの範囲は、価格変動を回避するように設計されており、高収益を求める投資家には適さないステーブルコインには適用されないと考えられる。
ただし、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)会長は、SECは、固有のリスクに関係なく、ステーブルコインを含むカテゴリーである投資に関連するすべてのトークンを監督することを目的としていると述べている。同氏は以前、ステーブルコインを「ポーカーチップ」と比喩し、リスクの高い投資への容易な立ち上げであることを示唆した。さらに、話ずれがちだが、ステーブルコインは価格が下落する可能性があるためリスクを伴う。主要ステーブルコインの価値が完全に崩壊したことはないものの、定期的にわずかな価格変動が発生している。なかでも注目されているのが、NEXTMONEYの特集記事「FacebookのDiem、Libraからのリブランド後もまだ課題に直面」、「Facebookから距離を置くことで批判に答えるDiem」で報じているように、Facebookの今後のDiemによるステーブルコインをめぐる課題は、米国政府がSECにも新しい権限を与える動機となった可能性がある。