ASIC、Bitgetの無認可仮想通貨先物取引についてオーストラリア投資家に警告

ASICがBitgetの無認可仮想通貨先物取引について警告

オーストラリアの企業規制当局ASIC(Australian Securities Investments Commission:オーストラリア証券投資委員会)は、BTG Technology Holdings Limited (BTGテクノロジー・ホールディングス・リミテッド)が運営するデジタル資産取引プラットフォームであるBitgetが提供する仮想通貨先物商品について、投資家に対し強い警告を発した。

同取引所は、オーストラリアで仮想通貨取引所として限定的に営業する認可を受けているものの、デリバティブ取引などの金融サービスを提供する認可は取得していないことから、違法に事業をしていると警告。この警告は、Bitgetが高リスクの仮想通貨デリバティブ、特にウェブサイトとモバイルアプリを通じてアクセスできる先物契約を宣伝していることに重点を置いている。これらのアプリは、AppleやGoogle Playを含むオーストラリアのアプリストアで引き続き利用可能だ。

Bitgetは「仮想通貨先物取引」を宣伝しているにもかかわらず、AFS(Australian Financial Services:オーストラリア金融サービス)の認可を取得していない。そのため、同プラットフォームで取引するオーストラリアの投資家は、紛争解決メカニズムや顧客資金の保護といった現地の保護措置の対象外となる。ASICによると、仮想通貨先物契約は高リスクデリバティブ商品に分類。

なお、ASICの警告を受けたBitgetは、公式サイトとアプリに免責事項を追加し、オーストラリアで仮想通貨デリバティブ商品を提供するライセンスも認可も取得していないことを明らかにした。

Bitgetのレバレッジ比率はオーストラリアの2倍の制限を超える

仮想通貨先物は、ユーザーがデジタル通貨の将来の価格に賭けられるデリバティブの一種で、大きなリターンを得られる可能性があるが、高いレバレッジをかけると、急激で深刻かつ莫大な損失につながる可能性がある。

ASICは現在、レバレッジ比率を2倍に制限しているが、Bitgetの販促資料では、法定上限をはるかに超える最大125倍のレバレッジ比率の仮想通貨先物を紹介していたと報じられている。こうした商品を利用する投資家は比較的少額の資本投入で大きなポジションをコントロールできるため、潜在的な利益と損失の規模が倍増すると強調。

ASIC側は、無認可のオフショアプラットフォームを利用する投資家は、資金の紛失や不正な取り扱いによる法的救済措置がないなど、重大なリスクに直面することを強く訴えている。そのため、オーストラリア国民に対し、投資をする前にプラットフォームのライセンス状況を確認するよう訴えている。AFSライセンス保有者は、ASICのプロフェッショナル登録簿を通じて確認でき、投資家はMoneysmart.gov.auの「投資前に確認する」リソースも参照するよう推奨されている。

8つの規制当局が警告

Bitgetの規制問題はオーストラリアをはるかに超え、少なくとも8カ国が、同プラットフォームの運営、先物商品について懸念を表明している。

2023年、ドイツの金融監督機関であるBaFinは、Bitgetとの取引を投資家に控えるよう警告し、同取引所はBaFinの監督下にないと指摘。その後、カナダ、フランス、キプロス、マレーシア、スペイン、日本の規制当局からも同様の警告が出されている。

これらの当局はいずれも、Bitgetが適切な認可や監督なしに金融商品を提供していることに懸念を表明。場合によっては、ウェブサイトの削除要請や消費者への勧告といった規制措置が取られている。

 

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