イーロン・マスクのビットコイン砲処理に失敗し、集団訴訟に直面するバイナンス

Binanceがユーザーらの集団訴訟問題に直面

仮想通貨取引量で世界最大の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)は、イタリアの法律事務所LexiaAvvocatiSwissBlockchainConsortiumからの集団訴訟に直面していることが分かった。

NEXTMONEYの特集記事「テスラ社、15億ドル相当のビットコイン保有判明でBTC最高値更新=保有額はマイクロストラテジー社に次ぐ」でも報じたように、テスラ(Tesla)社が15億ドル(現在価値で約1,658億円)のビットコイン購入を発表した2月8日に取引プラットフォームに数時間アクセスできなかったイタリアなど複数国のトレーダーグループが被った損害および損失の補償を取得することを目的とし、集団訴訟へと発展した。

イーロン・マスク(Elon Musk)氏によって度々発信される仮想通貨関連のツイートはボラティリティの大幅な急上昇を引き起こし、トレーダーは予定外の停止のため、オープンな取引ポジションを管理し、残高を表示できなかった。これにより、一連の不必要な清算が発生し、「数千万」相当の損失が発生したと原告側は述べている。

孤立した提案ではない

2021年2月23日(火曜日)、Binanceは、前日に記録された先物システムの問題に関する通知を公開し、影響を受けたユーザーに請求を要求した。

Lexia Avvocatiのクライアントの一部は請求要求を送信しましたが、法律事務所は、Binanceが「笑える」補償提案を思いついたため、提案を拒否しなければならなかったと書簡に書いている。そのような主張に応えてBinanceは、そのような“笑える”提案を拒否せざるを得なかった顧客が被った損失を補償するため、金額を提供している。Lexia Avvocatiは、テスラの大きなビットコイン爆弾は孤立した事件ではなかったと主張。その根拠として、「ビットコイン(BTC)が3万ドルに下落|中国報道が要因か」の特集記事で触れたように、中国の金融規制当局が銀行や金融会社が仮想通貨ユーザーにサービスを提供することを禁止されていると発表した5月19日、Binanceの取引システムも数時間停止された事も訴訟問題へと発展した要因の一つである。

取引所閉鎖要請警告と規制問題

Binanceは、7月12日まで、集団訴訟を回避するためにトレーダーに対して補償することが可能だ。

Binanceを法廷に持ち込む事とは別に、原告は欧州連合とスイスの規制当局に連絡し、Binanceに対して行動を起こし、取引所を閉鎖するよう要請することを警告している。Lexia Avvocatiの弁護士は、Binanceが指令2014/65 / EUに基づき、ヨーロッパで先物取引商品を提供することを許可されていないと述べている。

Binanceは、7月5日の特集記事「Binanceはタイの新たな警告でさらなる苦境直面:タイSECが刑事告発へ」で報じているように、タイSECからの刑事告発を含め、過去数週間にわたって世界中の規制当局からの甚大な監視に直面しており、ざっと挙げただけでも以下の問題を当NEXTMONEYでも報じている。

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