ANAPホールディングス、160億円規模のビットコイン戦略を本格始動

ANAP店舗前に浮かぶビットコインのイメージ写真

日本企業がビットコイン戦略を本格化

ファッション企業のANAPホールディングス株式会社が、8月までに最大1,000BTC(約160億円相当)のビットコインを取得する計画を正式に発表した。

国内企業による大規模なビットコイン(Bitcoin/BTTC)取得は極めて珍しく、米・マイクロストラテジーに続く戦略的な動きとして注目されている。

ANAPは、すでに取得済みの102.9BTCに加え、7月に584.9135BTCの現物出資を受ける予定で、合計687.8136BTCに達する見通しだ。これらは臨時株主総会での承認を経て実行される。さらに残る300BTC超の取得に向けて、同社は第三者割当増資を実施する方針で、新株式の一部払込みをビットコイン現物で受け付ける。

割当先となるキャピタルタイフーンからは、約80億円相当のビットコインが拠出される見込みで、このビットコイン建ての資金調達は国内初の事例とみられている。こうした積極的なビットコイン戦略が注目されるなか、同社の株価は2024年4月の購入開始以降に上昇基調を見せており、5月時点で前月比81%超、年初来では159%超の伸びを記録している。

ビットコイン活用による事業拡大と国内市場への影響

ANAPは、資本配分の一環としてビットコインを中長期で保有し、財務基盤の強化を図る「トレジャリー戦略」と、BTCおよびそのデリバティブ取引による収益化を目指す「トレーディング戦略」を展開している。

市場の価格変動を見極めつつ、リスク管理を徹底したうえで柔軟に対応する方針だ。さらに、ビットコインをテーマにしたアパレルや高級消費財の企画・販売、取引デスクの展開、マイニング関連事業にも注力する。これらの取り組みは連結子会社であるANAP Lightning Channelが主導し、平均取得コストを約0.3%に抑える体制を構築している。

また、人材確保やネットワーク強化にも積極的で、ビットコイン分野の有識者による「グローバル・アドバイザリーボード」の設置や国際カンファレンスの開催も計画中だ。グループ全体でビットコイン関連事業を成長の軸に据える構えを見せている。
今回の戦略は、仮想通貨導入に慎重な傾向があった日本企業の中でも先進的な事例といえる。他企業への波及も視野に入れた動きとして注目が集まっている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム