タイSECがBinanceに警告
名実ともに世界最大クラスの仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は、SEC(米国証券取引委員会)訴訟問題に続き、タイ王国(※以下、タイと表記)が主導する新たな規制問題の波に直面していることが明らかになった。
タイSECは、人気仮想通貨取引所であるBinanceに対して刑事告発を行い、それと同時に、日本、ケイマン諸島、英国の規制当局も仮想通貨取引所Binanceについて警告を発した。タイのSECはBinanceが国内での運用を許可されていないにもかかわらず、違法に仮想通貨ビジネスを行っているとして刑事告発を行なったとのことだ。しかしSECは、4月5日にBinanceに警告書を発行したが、会社は指定された時間内に回答を提出しなかったため、今回の刑事告発に至ったとされている。
ライセンスのない会社が仮想通貨関連ビジネスを行った場合、BinanceはDigital Asset Businesses EmergencyDecreeのセクション66に基づき、最高5年間の懲役、500,000バーツ(約170万円)の罰金を背負う可能性がある。さらにBinanceは、取引所が違法に運営され続けている場合、1日あたり10,000バーツ(約34,500円)の罰金が科せられる可能性もあり、早急な対応が迫られている。
BinanceはCIMAライセンスを取得していない
一方、ケイマン諸島は、CIMA(Cayman Islands Monetary. Authority=ケイマン諸島通貨局)を介して通知を発行しており、「Binance、Binance Group、およびBinance Holdings Limitedは、ケイマン諸島から、またはケイマン諸島内で仮想通貨取引所を運営する権限によって、登録、ライセンス供与、規制、またはその他の方法で許可されていません。」とのこと。
ケイマン諸島での運営を継続するには、Binanceは2020年の仮想資産(サービスプロバイダー)法に登録して準拠するか、関連当局から免除を取得する必要がある。
立て続けに警告を受けたBinanceは苦境に立たされる
FCA(英国金融行動監視機構)と日本の金融庁は、どちらも為替警告を発しており、銀行は禁止の理由としてBinanceの低セキュリティ基準を挙げている。
実際、日本の金融庁がBinanceに警告を発したのはこれが初めてではない。当NEXTMONEYの特集記事「金融庁がBinanceに無許可で仮想通貨取引所を運営したとして再び警告」で報じたように、2018年3月23日付で同取引所に対して金融庁が警告したのに続き、2021年6月25日で再警告している。
一方、英国の銀行TSB銀行は顧客がBinanceおよびKraken(クラーケン)から仮想通貨を購入することを禁止した事をイギリスの地元メディアTHE TIMESが報じた。