RBが米国CBDCに対して懐疑的な見方を示す
大手メディアのロイターが報じた内容によると、FRB(米国連邦準備制度理事会)が、中央銀行の犯行するデジタル通貨、通称CBDC発行の必要性について、強い疑念を表明したことが分かった。
6月28日(月曜日)に開催された2つの仮想通貨関連イベントの場でFRBは、CBDCを作成するメリット・コスト・ロジスティックス(※1)ことの潜在的なメリット、コスト、およびロジスティクスを調査する際に、政策立案者が激しい議論に直面する可能性があることを示唆しています。
原材料の調達や精算、在庫、販売など、物流を効果的に計画・管理し、合理的かつ統合的な戦略を行うシステムのことを指す。
今回、CBDCに対して強い疑念を表明したのは、連邦準備制度理事会のランダル・クオールズ(Randal Quarles)副議長で、同議長は米国のCBDCを創設する提案について、ユタ銀行協会大会(Utah Bankers Association Convention)の場で、“鉄の棒”をクリアする必要があり、潜在的な利益がリスクを上回ると確信する必要があるとして、次のように語っている。
目新しさに夢中になる前に、CBDCの約束を慎重に批判的に分析する必要があると思います。
米ドルはすでに高度デジタル化している
FRBは、米ドルはについて、「すでに高度デジタル化されている」と述べ、CBDCが金融包摂の改善または金融コストの削減に役立つだろうという懐疑論を表明した。
クオールズ副議長によると、懐疑論を表明した背景にはいくつかの問題点があるとしており、銀行口座へのアクセス改善や、コストなど、他のソリューションでより適切に対処できる可能性があると述べている。これらの発言に対してリッチモンド連邦準備銀行(Richmond Fed Bank)のトーマス・バーキン(Thomas Barkin)総裁は、アトランタのロータリークラブでの会談で同様の懐疑論を表明しており、次のように語っている。
私たちはすでにこの国にデジタル通貨を持っています。それはドルと呼ばれています。私たちは、それを行うときに何を達成しようとしているのかを理解する必要があります。
バーキン氏はCBDCに対して否定的な見解を明かしており、多くの取引が、モバイル決済サービスを手掛けるVenmo(ベンモ)やオンライン請求書支払いサービスなどを通じ、すでに事実上完了していると述べている。
今夏にCBDCのメリットとコストについてのディスカッションペーパーを発表
FRBは2021年夏に、CBDCのメリットとコストについてのディスカッションペーパーを発表するため、ボストンの連邦準備制度理事会はマサチューセッツ工科大学とデジタル通貨に使用できる技術について調査を行っている。
なお、予定されているディスカッションペーパーについては、オープンソースコードとともに、第3四半期にリリースされる予定とのことだ。FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長も、中央銀行が議会の行動なしにデジタル通貨を立ち上げることはできないことを明らかにした、とクオールズ氏は月曜日に述べている。中国を含む他のいくつかの国が自国通貨のデジタル版のパイロットに積極的に移行するにつれて、CBDCについての議論が白熱する一方、パウエル氏は、4月29日付の当NEXTMONEYの特集記事「FRBパウエル議長:金融リスクと中国のデジタル人民元について語る」で報じたように、CBDCの発行について、「早くするよりも正しくすることが重要である」と強調している。
月曜日のクオールズ氏は、世界の準備通貨としての米ドルのステータスが、外国の中央銀行のデジタル通貨によって脅かされる可能性は低いと述べたほか、FRBが発行したCBDCは、民間部門の金融革新を妨げ、預金に依存してローンを発行する銀行システムに脅威を与える可能性があると語っている。