オランダ当局、Tornado Cash の開発者の懲役刑を延長

トルネードキャッシュの開発者の景気が延長される

オランダ当局によると仮想通貨ミキシングサービスを提供するトルネードキャッシュ(Tornado Cash)の開発者は、2023年2月下旬まで刑務所に留まると伝えられたことが明らかになった。

オランダ当局は、このロシアのソフトウェア開発者を11月末までに釈放する予定だったが、彼が逃亡の可能性を示していることから、刑期を延長された事が仮想通貨メディアによって報じられた。

仮想通貨資金が戦争の資金に利用される事を懸念

USDT(米国財務省)がマネーロンダリング(資金洗浄)手続きを可能にしたとしてトルネードキャッシュを制裁した後、FIOD(Fiscale inlichtingen-en opsporingsdienst=オランダ犯罪局)は2022年8月に開発者のアレクセイ・ペルツェフ(Alexey Pertsev)氏を逮捕している。

米国当局は8月初め、トルネードキャッシュを米国内の被害者に対して行われたものを含むサイバー犯罪の収益を洗浄するとして制裁。その後、オランダ警察は、発表された制裁の数日後にペルツェフ氏を拘束し、最低90日間の禁固刑を言い渡した。ペルツェフ氏のキース・チャン(Keith Chang)弁護士は、この命令に非常に失望し、裁判官が本来あるべき姿ほどこのテーマに精通していないことを示唆しており、チャン氏は次のように語っている。

現時点では、犯罪行為に関する判例法はビットコインミキサーに関するものばかりです。トルネードキャッシュは何が違うということを裁判所が理解することが非常に重要です。

米国の推定によると、トルネードキャッシュは2019年以降、北朝鮮サイバー軍のラザルス(Lazarus Group)によって盗まれた4億5,000万ドル(約625億円)以上を含む、70億ドル(約9,717億円)以上のデジタル通貨を資金洗浄したとされている。そのため、ロシア国籍のペルツェフ氏が釈放された場合、ウクライナとの戦争に駆り出される可能性があると、ペルツェフの妻であるクセニア・マリク(Ksenia Malik)が述べていると仮想通貨メディのThe Blockは報じており、仮想通貨が資金洗浄されることで戦争に資金が利用されることを懸念しているようだ。

実際、トルネードキャッシュは、複数のユーザーの資金をプールしてから再分配、つまりミキシングを行うものであり、混合された仮想通貨はしばしば追跡が困難なため、ハッカーは盗んだお金を洗浄するためにトルネードキャッシュに注目している。例えば、2021年、クラウドファンディング・プラットフォームのDAO Makerがハッキングされ、50万ドル(約7,000万円)以上の資金がトルネードキャッシュを通じて洗浄されている。一方で仮想通貨コミュニティは、この逮捕に素早く反応し、ほとんどの参加者が開発者の側に立ち、悪人が仮想通貨ミキサーを使ったのはペルツェフ氏のせいではないとの見解を示している。