サイバー犯罪者による資金洗浄法が最新調査で浮き彫りに
エリプティック(Elliptic)による調査結果によると、サイバー犯罪者は仮想通貨クロスチェーンブリッジとコインスワップ サービスを利用し、70億ドル(約1兆円)相当の“違法または高リスク資金”を洗浄したと考えられていることが分かった。
北朝鮮サイバー軍と呼ばれている犯罪組織ラザラスグループ(Lazarus)は、9億ドル(約1,339億円)のクロスチェーン犯罪に責任を負っているという。2022年7月から2023年7月までの期間、クロスチェーンおよびクロスアセットのサービスが「70億ドル相当の違法資金または高リスク資金の洗浄」に利用されたことが、エリプティックの最新調査で明らかになった。
このようなチャネルを通じて洗浄された仮想通貨は、2023年末までに65億ドル(約9,673億円)という同社の予測を上回っている。同社は10月5日(木曜日)に発表した声明の中で、分散型取引所、クロスチェーンブリッジ、コインスワップサービスを通じて洗浄された仮想通貨の価値は、2022年に記録した41億ドル(約6,101億円)をはるかに下回っていると述べた。同社の共同創設者兼主任科学者であるトム・ロビンソン(Tom Robinson)氏は、最新研究結果について次のように語っている。
昨年リリースされた包括的なブロックチェーン分析機能からの革新的な洞察により、悪意のある者が分散型取引所(DEX)、クロスチェーンブリッジ、そしてコインスワップサービス。
制裁対象企業は26のブロックチェーンにわたって80の資産を保有
声明によると、北朝鮮の支援を受けていると言われるラザラスが9億ドル(約1,339億円)相当のクロスチェーン犯罪に関与しているとみられる。
さらに、制裁対象企業は現在26以上のブロックチェーンにわたって80以上の異なる資産を保有していると指摘している。同グループは注目を集めるハッキング事件で名指して関与を指摘され続けており、事件の1つでハッカーは、2億ドル(約297.6億円)相当のデジタル資産を盗んだと考えられている。
同社は、ラザルスを含むサイバー犯罪者が現在、現金化する前に資金の動きを難読化しようとしていることに気づいたと述べており、犯罪者は、同社がより複雑なクロスチェーン手法と呼ぶものを使用してこれを達成している。なお、これらの手法には、デリバティブ取引や指値注文が含まれているとのことだ。