日本銀行がCBDC概念実証テストフェーズ1を開始
日本銀行は4月5日(月曜日)、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)の概念実証プログラムの第1フェーズを正式に開始した事を発表した。
「CBDCに必要なコア機能の技術的実現可能性をテストする」概念実証プログラムの第1フェーズは、2022年3月まで継続される。このフェーズの間に、日本銀行(※以下、日銀)のCBDCのテスト環境の開発を開始。さらに、この環境を利用し、「発行、流通、償還などの決済手段としてのCBDCの中核となる基本機能」に基づいた実験を行うとのことだ。
NEXTMONEYの特集記事「日本銀行は今年後半に中央銀行のデジタル通貨の実験を開始」、「日本銀行、CBDCの概念実証詳細を共有するための委員会を設立」で報じているが、当初、日銀はCBDC発行に対し、否定していたが一転して発行のための環境整備へと駒を進めている。日銀事務局長の内田真一氏は先月の記者会見で次のように語っている。
日銀のスタンスに変更はなく、デジタル通貨を発行する計画はありません。ですが、現在CBDCが支払い手段を提供し、そのようなシステムがグローバルスタンダードんいなるための合理的な可能性があると信じています。そのため、この段階で実験を開始することが必要なステップであると信じています。
2021年10月にもフェーズ2へ移行か
日銀の概念実証テストでは、エンドユーザーとサードパーティの支払いプロバイダーは、テストの第2フェーズが完了するまでテストプログラムに紹介されないとのこと。
日銀は当初、2021年10月にCBDCのより詳細な機能をテストするため、フェーズ2に移行する大まかな予定はできているものの、が完了するまでテストプログラムに紹介されず、フェーズ2の完了予定スケジュールは未定である。また、フェーズ1について、実施期間は、2022 年3月までの1年を想定しており、その後は必要に応じて、中央銀行はフェーズ3へ移行し、民間企業とエンドユーザーがパイロットプログラムに参加する計画のため、フェーズ1の進行状況によってフェーズ2、フェーズ3の開始時期もずれ込むとみられる。