IRS、Krakenの顧客記録を求めて召喚状を請求=裁判所は要求縮小を要請

IRSがKrakenの顧客記録を求める

IRS(米国内国歳入庁)は、Kraken(クラーケン)の運営会社であるProyward Ventures Inc.に仮想通貨取引所の顧客情報の提供を求めていることが明らかになった。

法務省の税務課は今週、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に請願書を提出しており、John Doe召喚状ではIRSがまだ特定されていない納税者に関する情報を取得できるため、裁判官の承認が必要であるとのこと。IRSは先週、NEXTMONEYの特集記事「IRS米国内国歳入庁、Circleに対してJohn DOE召喚状サービスを承認」で報じたように、大手仮想通貨関連企業のCircle(サークル)社に対して、John DOE召喚状の採用を承認したことが明らかになったばかりだが、Circle社に対する召喚状を取得後、Krakenにも同様の要求をKrakenにも発行するよう求めている。

今回の請求が承認された場合、IRSはPayward Ventures Inc.およびその関連会社であるKrakenに、トランザクションで20,000ドル(約200万円)に達したユーザーに関する情報を請求することが可能になる。

IRSによる請願書請求の目的

請願要求に添付された声明の中で、IRSエージェントのカレン・シンコッタ(Karen Cincotta)氏は、請求が2016年から2020年までの仮想通貨ユーザーの連邦所得税債務を特定して修正するための調査の一部であることを明かした。

これに対して裁判所は、今回の政府の要請はあまりにも広範であり、狭い範囲で要請を再提出しなければならないとの回答を行っているとのこと。一方、IRS側は「ユーザー設定」、「Know-Your-Customerその他の記録」、「Krakenとユーザーまたはアクセス権を持つ第三者との通信」など、これらのより広範なカテゴリーの情報は、ユーザーのアカウントまたは、複数のアカウントの識別に関連している可能性があると主張。しかし、現時点でジャクリーン・スコット・コーリー(Jacqueline Scott Corley)裁判官は、この主張に納得しておらず、IRSは4月14日までに、その要求の範囲を狭めて再提出する必要があると通行くした。

IRSは、仮想通貨の保有を申告しないことに対して厳しい方針を取っており、納税者に1040Aフォームの上部で仮想通貨で課税対象の活動を行ったかどうかを尋ねている他、2020年に複数回の手紙を送り、仮想通貨保有者に税申告を促している。なお、Krakenは、「クラーケン(Kraken)、APAC拡張の一環で日本での仮想通貨取引再開」で報じたように、日本の仮想通貨市場に再参入したばかりで、日本ユーザーからも今回のニュースは高い関心を集めている。

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