スリランカ中央銀行が仮想通貨について国民に警告
CBSL(Central Bank of Sri Lanka=スリランカ中央銀行)は、経済的および政治的混乱の時期に規制当局の監視が不足していたため、仮想通貨を購入しないように国民に警告した事が分かった。
今回分かった同国の中央銀行による警告は、同国が“仮想通貨は違法”のスタンスを維持している事が大きな要因であり、「仮想通貨の使用に関する最近の動向」に対応して、7月12日(火曜日)にスリランカ中央銀行から一般向け通知が発表された。通知の中で仮想通貨は、民間企業によって取引および発行される「ほとんど規制されていない価値のデジタル表現」として定義された。
CBSLは、2018年と2021年に発行された通知でそれまでの立場を繰り返し、仮想通貨資産を利用する「スキーム」を実行している企業にライセンスを承認または付与していないと主張。その結果、不安定な国ではまだマイニング作業と仮想通貨取引きが禁止されており、次のように述べている。
仮想通貨は、規制されていない金融商品と見なされており、スリランカでの使用に関する規制上の監視や保護措置はありません。したがって、一般の人々は、VC(※ベンチャーキャピタル)への投資によってユーザーにもたらされる重大な財務、運用、法律、およびセキュリティ関連のリスクと、顧客保護の懸念にさらされる可能性があることを警告されます。
混沌(こんとん)とするスリランカ情勢
CBSLは、2017年の外国為替法に従って、デビットカードやクレジットカードなどの電子送金カード(EFTC)を使用して仮想通貨取引の支払いはできないことを警告し続けている。
言い換えれば、スリランカ人は仮想通貨取引所で銀行カードを使用した仮想通貨の購入は禁じられている。同国では、数週間にわたる政治的および経済的不安の結果、数万人のデモ抗議者がスリランカの通りに殺到し、何百人もの抗議者が週末にコロンボにあるゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)元スリランカ大統領邸宅に侵入し、食料を盗み、建物を支配。ラジャパクサ元大統領は、辞任する予定の数時間前にモルディブに向けて国外退去していたとのこと。
同国のインフレ率は史上最高の54.6%であり、家計はすでに限界に達している。CBSLは金利を15.5%に引き上げた。その結果、債務返済が大幅に増加したものの、その一方では国民の貯蓄が一掃されていることを意味する。さらに、同国政府は燃料の購入に制限を課し、70年間で2,200万人が最大の人道的大惨事に巻き込まれ、全国的に食料と医薬品の両方が万税的に不足している。そのため、一般大衆にビットコイン(Bitcoin/BTC)を紹介し、インフレヘッジとしてステーブルコインを取得できるチャンスはかつてないほど強力であるものの、金融当局は他の考えをちらつかせている。