SEC対リップル、議論時間枠に合意|訴訟は2021年6月まで続く

SECとRippleが議論提供の時間枠に合意

アメリカの規制当局、SEC(米国証券取引委員会)、およびRipple Labsの幹部は、訴訟を終結させるために議論を提供するための時間枠に合意したことが明らかになった。

2021年3月14日にジェームズ・K・フィラン(James K. Filan)弁護士は、ニューヨーク南部地区のSECから提出された手紙のコピーをTwitterに投稿した。フィラン氏は、SECに対する訴訟において、元RippleCEOのクリスチャン・ラーセン(Christian Larsen)氏と現ブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏の代表を行っている。

手紙の内容によると、SEC側は5月14日までに議論をまとめた書簡を提出し、これに対してRipple側は6月4日を期限として返答を行うとのこと。ただし、RippleとSECが今回合意に至る保証はなく、たとえそうなったとしても、早くて2021年の夏まで合意に至ることはないとのこと。

SECとRippleの訴訟までの道のり

SECは2020年12月、NEXTMONEYの特集記事「米SEC、リップル社へ13億ドルの訴訟=未登録証券の販売」で報じたように、CEOおよびRippleに対し、未登録証券の130万ドル以上の違法な売却を行っていたとして訴訟を起こしている。SECはXRPが有価証券であると主張しているが、「「XRPは証券ではなく、リップルは勝訴する」=SBI北尾氏」で特集しているように、RippleLabsはビットコインやイーサリアムなどの他の仮想通貨が、有価証券でないとの主張を続けている。

さらにXRPは2015年に、FinCEN(金融犯罪捜査網)によってデジタル通貨に承認されており、ニューヨーク州もXRPをデジタル通貨として認識している。しかし、SECがRippleに対して訴訟を起こしてから、米国の多くの取引所は米国の規制当局からの制裁を恐れて、XRPをリストから削除したことで、XRPの価格が暴落するなど大きな被害を被っている。米国企業のRipple離れについては当サイトの特集記事「米SECのリップル訴訟問題で仮想通貨関連企業のXRP離れ加速」でも報じているが、Rippleの一つの特徴である、国境を越えた取引にXRPテクノロジーを使用していたMoneygram(マネーグラム)などの企業クライアントは、その採用を中止しているとのこと。なお、Moneygramのリップルに対する提携解消までの上がれは、「マネーグラム、リップル社訴訟問題に関する声明発表」、「MoneyGramha、SEC訴訟を理由にリップルの取引を停止」で報じている。

そのため、資本金200億ドルを超え、仮想通貨のランキングで7位にランクする通貨が、これほどまでに大きな被害を受けている時点で、いかに早くこの事件を解決するかという問題ではなくなっているのが現状だ。

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