XRP訴訟でヴィタリック・ブテリン氏はSECと取引か

ヴィタリック・ブテリン氏がヒンマン文書プロセスに関与か

イーサリアム(Ethereum)創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、イーサリアムだけに証券ではないという特別な透明性を提供した、SEC(米国証券取引委員会)によるヒンマン(Hinman)文書に至るプロセスに関与していたことが明らかになった。

リップル(Ripple)のルール56.1ステートメントを含むヒンマン文書とスピーチにリンクした多くの重要な文書がついに公開され、この文書により、SECが物議を醸したスピーチに至る過程で、同氏からコンサルテーションを受けたことが明らかになった。公開された文書の抜粋によると、2018年5月31日、米国SEC内で、もはや証券ではないデジタル資産の例として、ビットコイン(Bitcoin/BTC)とともにイーサリアムを含めることに対する勧告への反対が高まっていた。最近公開されたメールとスピーチの草稿は、18カ月にわたる調査と度重なる裁判所の命令を受けて公開されたもので、ヒンマン文書の舞台裏の要素について重要な洞察を与えている。

ヒンマン演説の草稿にブテリン氏との通話が記載

SEC対リップル訴訟のヒンマン演説関連文書の一般公開は、仮想通貨業界にとって大きな出来事として期待されていた。

しかし、6月4日、当時のSECディレクターであるヒンマン氏が、同スピーチの草稿を委員会の部門責任者と共有。その文書には、イーサリアム財団の運営方法についてSECの理解を確認するため、その週の後半にブテリン氏との通話があることを述べたことが記されている。この動きは、草稿がイーサリアムでどのように機能するかについてのヒンマン氏の理解を反映していないことを示唆するものであるという。

リップル社の最高法務責任者であるスチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏によると、同文書からは、ヒンマン氏が自分の研究の根拠のなさや、ハウィーテストで規定された受け入れ可能な法的規範からの逸脱に関する懸念を軽んじていることを指摘しており、この発言は市場を当惑させただけでなく、規制当局の監視の欠陥も明らかにしている。

ヒンマン文書の基準となったブテリン氏の役割

ヒンマン氏は2018年6月の講演で、トークンが一定の分散化レベルに達した場合、もはや証券とみなされないと提案しており、同氏は新しい基準を提案している。

当初はヒンマン氏の個人的な意見として発表されたこの発言は、後にSECがガイダンスとして受け入れ、ジェイ・クレイトン(Jay Clayton)前SEC委員長が公式に称賛したことで重要性が増した。実際、裁判の手続き中にSECが同スピーチに対する立場を変えたにもかかわらず、このスピーチは現在もSECのウェブサイトで公開されている。

リップル社は、これらの発覚を受けて、SECのウェブサイトからHinman氏のスピーチを緊急に削除することを要求。同社のクリスティーナ・キャンベル(Kristina Campbell)CFO(最高法務責任者)は、ヒンマン氏の影響力の調査、潜在的な利益相反の特定、さらなる混乱の可能性があるにもかかわらずSECがこのスピーチを推進した理由についての説明を要求している。さらに同社は、ヒンマン氏のスピーチをセキュリティ分類の議論においてもはや考慮すべきではないと主張。新しい法律を作るのではなく、既存の法律を管轄区域の境界内で公平に管理することに焦点を当てるべきだと主張している。

リップル社とSECの行動の意味は、関係者の枠を超えたものであり、それはXRPの価格に甚大な影響を及ぼし、より広い仮想通貨エコシステムに先例を作る可能性があるため、仮想通貨保有者は法的動向を注視している。