アトミックウォレット(Atomic Wallet)で重大なセキュリティ侵害の被害

アトミックウォレットでハッキング被害発生

何百万人もの仮想通貨愛好家が使用する人気の非保管分散型ウォレットであるアトミックウォレット(Atomic Wallet)が重大なセキュリティ侵害の被害に遭い、ユーザーが仮想通貨の損失被害を報告している事が分かった。

日本語訳:
Atomic – Crypto Wallet
ウォレットが侵害されたという報告を受けています。私たちは状況の調査と分析に全力を尽くしています。さらなる情報が得られ次第、適宜共有させていただきます。
ご質問やご不明な点がございましたら、support@atomicwallet.io までお問い合わせください。

Tom
なんてことだ、私が一生懸命働いたお金はすべてアトミックウォレットからだけ消えてしまった!資金を確保するのはあなたの責任です。私たちの資金はどうなりますか?ここに何もコピー&ペーストしないでください。明確な答えを与えるだけです。今日、多くのユーザーがこれに直面しています。

今セキュリティ侵害の被害は、苦しむ複数ユーザーがTwitterで被害を共有したときに発生し、アトミックウォレットチームがこの問題を公的に扱うよう促したという。アトミックウォレットは公式ツイッターアカウントに投稿したメッセージの中で、ウォレットの侵害に関する報告を認め、この問題について積極的に調査していることをユーザーに保証し、次のように述べている。

盗まれた資金を追跡し、ハッキングされたプロジェクトを支援したことで知られる有名なオンチェーン探偵ZachBTXも、捜査に関与している人物の一人で、同チームは同氏と緊密に連携しているが、現時点では攻撃手法の詳細は不明であり、攻撃の重大度と範囲についてまだ判明していない。

仮想通貨のハッキングや損失に対する懸念の高まり

アトミックウォレットに対するハッキングの報告は、驚くべき頻度で発生する仮想通貨のセキュリティ侵害のリストに加わった。

DeFi(分散型金融)アプリのジンボス・プロトコル(Jimbos Protocol)も数日前、同様の被害に遭い、4,000ETH(約10億円)相当を失ったばかりだ。さらに、分散型仮想通貨ミキサーであるトルネードキャッシュ(Tornado Cash)での侵害は、デジタル資産の脆弱性を改めてはっきりと浮き彫りにした。

ブロックチェーン分析を手掛けるチェイナリシス(Chainalysis)の最新レポートによると、2022年だけで仮想通貨ハッカーは推定38億ドル(約5335.6億円)を盗むことに成功しており、主原因は北朝鮮関連のハッカーとDeFiプロトコルにあるとみられている。さらに、ブロックチェーン分析・監視技術を開発を手掛けるTRM Labs の分析では、2023年第1四半期の平均ハッキング サイズが前年に比べて減少していることが判明しているものの、専門家は現状に満足しないよう警告している。その理由として、いくつかの大規模なインシデントが再び状況を変える可能性があり、攻撃規模縮小は一時的な休息の可能性があると警告している。

アトミックウォレットハッキングの捜査が進行中でであるものの、攻撃の可能性のある性質に関する理論が浮上している。憶測ではあるものの、今回のセキュリティ侵害はサプライチェーン攻撃である可能性が示唆されており、ハッカーがサーバー上のソフトウェアソースコードを改ざん。その後侵害されたソフトウェアをダウンロードした一般ユーザーが気付かないうちに侵害されるというものである。