香港、個人投資家の仮想通貨取引を禁止する計画|トレーダーは地下取引に潜る可能性

2021年末までに個人投資家向けの仮想取引を禁止する香港

香港で仮想通貨取引から個人投資家を禁止する法案が導入される可能性があり、それに対して業界内からの懸念が高まっている。

香港当局は、個人投資家の仮想通貨市場へのアクセスを閉鎖する準備ができている、とサウスチャイナモーニングポストは報告している。

仮想通貨取引所との協議を重ねてきた香港政府だが、同政府は今年末にデジタル通貨の禁止を実施する予定だ。また、当局は政治的に暴露された人々の監視を強化すると報告しており、監視は香港内だけでなく、地域外の取引所にも影響を及ぼすとみられ、中国本土の政府は、このような政策を用いて自治区での地位を強化すると狙いがあるとみられている。

仮想通貨が禁止されると、BitMEXHuobiOKCoinCoinbaseなどのサイトは香港の民間トレーダーにサービスを提供できなくなるが、今回対象外のプロトレーダーは引き続き仮想通貨市場にアクセスが可能だ。ここで述べられているプロトレーダーとは、少なくとも100万ドル、約1億円を超えるポートフォリオを持っている者を指している。昨年実施されたシティバンクの世論調査によると、香港にはプロのトレーダーの約7%いるとみられており、香港の人口の93%が、仮想通貨市場へのアクセスが閉鎖される可能性があるという。

2020年12月中旬、香港の金融規制当局は、OSLに最初の仮想資産取引ライセンスを発行したが、OSLは、ライセンスによって民間業者が市場にアクセスしやすくなることはないと強調している。香港の仮想通貨市場の規制強化計画が2020年11月に初めて明らかになった後、証券取引の有無にかかわらず、現地の規制当局が現地の仮想通貨取引所を管理すると報告された。

締め出された個人投資家は地下取引へ避難の恐れ

仮想通貨擁護団体によると、仮想通貨への投資を専門家に制限しい、個人投資家を禁止するという香港の計画は、全体の93%に及ぶ個人投資家が、営業許可のない地下取引所などの場所へ移動する可能性があることを指摘している。

OKCoin、BitMEX、Coinbaseなどの仮想通貨取引所を代表する業界団体のGlobal Digital Finance(GDF)によると、新しい体制が導入されれば、個人投資家はライセンスのないP2Pプラットフォームを探すようになると指摘。GDFは、これにより、そのような代替取引場所を求める個人投資家の財務リスクが高まると付け加え、GDFの諮問委員会の議長であるマルコム・ライト(Malcolm Wright)氏は次のように語っている。

仮想通貨取引をプロの投資家のみに制限することは、個人投資家が仮想資産を売買できるシンガポール、英国、米国などの他の法域で見られるものとは異なります。

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