ステーブルコイン規制が本格的に稼働か
米国のトップ金融規制当局らが、マネーロンダリング防止と金融テロ対策の重要性を強調したうえで、保護強化を目的に複数のステーブルコインに対する制限を検討していることが分かった。
今年、仮想通貨市場で注目されていたホットトピックの一つであるステーブルコインが、12月23日(水曜日)に開催された金融市場に関する大統領ワーキンググループの声明の主要議題となった。同ワーキンググループには、財務省をはじめ、連邦準備制度、証券取引委員会、商品先物取引委員会からの代表が参加している。
ステーブルコインは通常、米ドルなどの予備資産に固定されており、ボラティリティ(※価格変動)が低いことから、投資家は、迅速に実行できるデジタルトランザクションを通じてビットコインなどの仮想通貨を購入するために使用されている。
問題となっているのは、トレーダーがデジタルトークンの支払いを容易にするために依存する、いわゆるステーブルコインで、水曜日の声明の中で次のように述べた。
リスクを効果的に管理し、米国国内および国際的な金融システムの安定性を維持する方法で使用されるべきである。
同グループが発表した声明によると、コインのオペレーターは十分な現金準備を維持する必要があるとしている。主にステーブルコイン発行者は金融法の観点から規則に従う必要があると述べ、マネーロンダリング防止と金融テロ対策の重要性を強調。ステーブルコインは市場に出る前に、ホストされていないウォレットも含め、すべての関係者間のオンチェーンのKYC(Know-Your-Customer=本人確認義務)検証が含め、該当するすべてのマネーロンダリング防止要件を遵守するためのシステムを導入する必要があると述べた。
公開されたレポートの詳細
今回新たに公表されたレポートには、ステーブルコイン発行者側は、制裁義務を遵守し、1対1の償還を可能にする能力を備えているべきであると述べている。Empty Set Dollar(ESD)のようなアルゴリズムのステーブルコインやダイ(Dai/DAI)のような仮想通貨で裏付けられたステーブルは法定通貨で裏付けられていないため、これらがワーキンググループの提案によってどのように影響を受けるかは不明だ。
ワーキンググループの声明では、ステーブルコインが“国際通貨の安定”に脅威を与える可能性があることに言及しており、ステーブルコインの取り決めが国内の法定通貨の信頼と能力を損なうことがないようにするための行動を推奨している。
トランプが任命した当局者のグループによって発表された今回の文書は、仮想通貨の急成長に対して危機感を募らせた世界の既存金融ルールを適用するための政府主導の最新動向だ。ワシントンのデジタル資産に対する厳しい姿勢は、2019年6月にステーブルコインとしてLibra(りぶら)計画を立ち上げたFacebook社に対する各国の混乱や苛立ちに対する警戒および危機感の表れといっても過言ではない。
ジャスティン・マジニッチ(Justin Muzinich)財務副長官は次のように述べた。
この声明は、イノベーションの重要なメリットを促進し、国家安全保障と財政の安定に関連する重要な目標を達成するというコミットメントを反映しています。規制当局は引き続きステーブルコインの取り決めを注意深く検討し、これらの問題に関する将来の対話を楽しみにしている。