ビットコイン取引高の減少
世界トップに君臨する仮想通貨取引所バイナンス(Binance)におけるビットコイン取引量が、10月は18%近く減少したほか、トップクラスの主要な仮想通貨取引所で軒並み取引量が減少していることが分かった。
Crypto Compareが公開したレポートによると、先月仮想通貨取引量は17.6%減少しており、市場には価格上昇につながる良いニュースが多かっただけに、多くのユーザーにとって取引量の減少は意外な事実である。
CoinMarketCap Bitcoin Cartsより画像引用
CoinMarketCapでここ最近の値動きを見てみると、10月にビットコイン価格は急上昇し、10月10日14時でその価格は1,195,383円、執筆時点の価格は1,602,823円と1BTCあたり約40万円の値上りを見せている。
CryptoCompare より画像引用
しかし、CryptoCompareは、市場調査会社が正確な数値を掲載すると考えている取引所の全体的なスポット取引量の大幅な減少を報告している。
リサーチデータによる各取引所の取引ボリューム
同社のリサーチデータを見てみると、バイナンスの取引は前月に比べて33.1%と、3割も減少しており、取引高は757億ドルだった。また、Huobi Globalについても31.4%減少と、バイナンスと同様に3割も減少しており、取引高は417億ドルである。
最近大きく注目されているOKEx(オーケーイーエックス)は、警察による共同創設者逮捕後、一時停止させた状態が現在も続いており、その影響かか取引高は42%も減少している。コインベース(Coinbase)は全社の3取引所と比べると減少率はやや低いものの、それでも17.5%減少しており、取引高も113億ドル、クラーケン(Kraken)は13%減少の65億ドル、リキッド(Liquid)は先に述べた5取引所と比べて最も減少率が低い4.3%減の61億ドルだった。
取引ボリュームの減少要因とは
QuantumEconomicsのアナリストであるペドロ・フェブレロ(Pedro Febrero)氏は、これらの減少について次のように解説した。
HODLされるコインの数が増え、アクティブなビットコインアドレスの数が増えた。これらは、多くのアクティビティがあったことを示しており、先月の平均トランザクション値も増加。どちらの指標も、ユーザーが実際にビットコインを使用していることを示しているが、取引所に送信していません
また、CryptoCompareのスポークスマンであるコンスタンティン・ツァブリリス(Constantine Tsavliris)氏は、次のように述べている。
9月のボラティリティの上昇とビットコインの12,000ドルから10,000ドルへの減少は、かなりの取引量を生み出した。10月には、ほぼ途切れることのない反発があり、この価格逆転とボラティリティの欠如により、前月比で取引量が減少した
フェブレロ氏が語った減少についての2つ目の理由が、トレーダーは分散型取引所Uniswapでビットコインをロックしているという点である。プロトコルによって提供される流動性手数料を最大限に活用するか、取引所で取引する可能性があると指摘している。またフェブレロ氏は、多くのユーザーがBinanceなどの集中型取引所からUniswapなどの分散型取引所に切り替えるという毎年の傾向の続きであると述べている。
メトリックサイトのDeFiPulseによると、過去30日間にUniswapでロックされたビットコインの合計量は、24,000BTCから30,000BTCに増加している。