リップルがドバイに支社設立
11月7日の発表によると、リップルがアラブ首長国連邦の一つであるドバイの金融自由地域にあるDIFC(Dubai International Financial Centre=ドバイ国際金融センター)に地域事務所を設立したことが発表された。同社は10月下旬、サンフランシスコに拠点を構えるRippleは、サンフランシスコを拠点にすることをやめたと発表したばかりだ。
DIFCの発表した内容によると、ブロックチェーンベースの決済会社Rippleは、「革新的な規制」の場所を選択し、DIFCのウェブサイトには、以下のようにコメントされている。
金融の未来を形作るビジョンを掲げるRippleniDIFCがサポート。イナミックで革新的なエコシステム内で動作するリップルは、地元および地域の金融機関と協力して、決済業界に革命をもたらす。
DIFCの公式サイトには、経済特区が“実績のある司法制度”を備えた独立規制当局として、中東やアフリカ、南アジアの2,500社を超える企業にサービスを提供していると記載されていることからも分かるように、世界に点在する金融ハブの一つである。Rippleマネージングディレクターであるナビン・グプタ(Navin Gupta)氏は、次のように述べている。
リップルはすでにMENA (中東および北アフリカ)地域に重要な顧客基盤を持っており、顧客と同じ場所に配置する機会がDIFCを自然な選択にしました。私たちの地域事務所は、ブロックチェーンベースのソリューションを紹介し、地域内のさらに多くの金融機関との関係を深めるための出発点として機能してきます。
米国の規制が明確ではいことが移転の要因
また、同社CEOであるブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏と共同創設者のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏は、サンフランシスコにある同社の本社を、アメリカよりも規制が明確な国に移転することについて話している。NEXTMONEYの特集記事『SBI北尾氏、日本はリップルの新本社の「有力候補」と語る』で以前お伝えしたように、新しいオフィスの候補地として日本とシンガポールを最終候補に挙げている。
DIFCは、リップルのようなブロックチェーン企業に、最低50年間、企業の収入と利益に税金を課さないことを約束しているとされており、金融センターに加えて、UAE最大のフリーゾーンであるドバイマルチコモディティセンターは、新しいタイプのクリプトバレーの立ち上げを計画していることを1月に発表している。
XRP売上高が全四半期300%増
リップルの動きは、2020年にビットコイン(Bitcoin/BTC)およびイーサリアム(Ethereum/ETH)と比較してXRPトークンのボラティリティが増加する中での発表であり、11月6日付NEXTMONEYの特集記事『リップルは第3四半期報告書を公開=XRP売上高300%増』で以前お伝えしたように、11月5日にリリースされた2020年第3四半期のXRP市場レポートによると、第3四半期のXRPのボラティリティはBTCのボラティリティよりも高かったETHは、第2四半期と第1四半期からのボラティリティの増加を表している。
CoinMarketCapによると、XRPは11月9日17時30分現在、0.251624ドル、26.06円で取引されており、過去24時間で0.4%の上昇だ。
Rippleは、XRPをめぐるアメリカ規制当局の厳しい規制により、本拠地をシリコンバレーからの移転を検討しており、証券規制当局がXRPをセキュリティと見なしていない国に本社を移転する可能性が高いと、ガーリングハウス氏は先月のCNBCのインタビューで述べている。
この様な移転は特別目新しい動きではなく、以前、BinanceとOKExは、拠点を中国からマルタに移しており、仮想通貨取扱い事業者として、より法規制がはっきりしている地域や国を選ぶ傾向がここ最近目立っている。