ヤフー・TaoTao、バイナンスとの戦略的提携に向けた交渉が正式終了
Zホールディングス株式会社(ヤフー株式会社)の完全子会社Zコーポレーションと同社の子会社であるTaoTao株式会社は、世界最大手の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)と、かねてより日本市場における戦略的提携向けて交渉を行ってきたが、本交渉を終了したことを発表した。
TaoTao株式会社を含む3社は2020年1月17日、バイナンスが有する仮想通貨取引所に関する技術提供や、仮想通貨取引所の運営サポートなど、多岐にわたる日本市場の戦略的パートナーについて協力を進めることを発表していた。しかし今回の発表により、交渉が完全終了。TaoTaoは次のように発表でコメントしている。
2020年1月17日発表の通り、日本市場における戦略的パートナーシップについて協議してまいりましたが、このたび交渉を終了する決定をした次第です。
バイナンスは日本の仮想通貨交換業者としてライセンスが承認されておらず、過去にバイナンスは、日本の仮想通貨市場を監督する金融庁から警告を受けている。また、2020年1月17日の発表より少し前には、日本居住のユーザーを対象に、バイナンスのサービスを日本の法令に準拠したサービスとして改修を行うことを発表しており、日本市場からの完全撤退という噂が浮上していた。
しかし2020年1月17日の発表により、バイナンスの日本進出が本格化したのではないかという段階まで来ていたが、本日の発表で振り出しに戻った可能性がある。しかし、2020年1月17日の発表時点でも「日本進出」というキーワードは記載されておらず、どのような話し合いが行われていたのかすら分からない状況だ。
最近では、世界最大のデリバティブ取引所BitMEXが、米国国内において違法な活動をしたとして、米商品先物取引委員会(CFTC)が、BitMEXに対してマネーロンダリングおよびその他の民事訴訟を提起している。そのため現在、世界各国のライセンスを正式取得していない取引所への見方が大きく変わる節目にあり、バイナンスも規制下の国に慎重な動きを見せている可能性が高い。