フィリピン中央銀行がデジタルトークン採用
フィリピンの中央銀行は、国が独自デジタル通貨を研究しているにもかかわらず、法定通貨の使用を削減し、国内の金融サービスの提供を改善する手段と見なしていることが分かった。
フィリピンの中央銀行、BSP(Bangko Sentral ng Pilipinas=フィリピン中央銀行)が大手メディアブルームバーグの取材に対し、ベンジャミン・ディオクノ(Benjamin Diokno)知事は17日(金曜)、デジタルトークンはリーチを拡大し、金融サービスのコストを削減するとともに、規制当局が独自のデジタル通貨の実現可能性の研究を進めているため、デジタルトークンの背後にある技術は金融サービスの提供を改善する可能性があると述べた。
フィリピンは、自国のデジタル通貨の発売を検討している国の1つで、BSPは、その研究は中央銀行のデジタル通貨、またはCBDCの実現可能性と潜在的な政策への影響を検討すると述べている。なお、国はすでに政府発行の債券を配布するためにブロックチェーン駆動のプラットフォームを立ち上げている。
フィリピンでは、中央銀行が支援するデジタル通貨に関する研究には、物価の安定や法的ハードルなどの問題に関する「包括的な議論」が含まれていると述べている。その背景には、EUと中国の金融当局は独自のデジタル通貨を検討しているため、中央銀行は既存の国内デジタルトークン市場とより広範な金融システムへの影響を評価する、とディオクノは述べている。
同国では、デジタルトークンのオープンで柔軟な規制を早期に採用し、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の比較的幅広い使用と取引への扉を開いた。同中央銀行によると、国内では16の認可デジタル通貨取引所が運営されているとのことだ。
また、近隣国の一つであるタイ銀行では、現地の企業とデジタル通貨システムをすでに試験的実験段階に入っており、香港金融当局との国境を越えた送金をしている。大企業が最終的に技術を採用することを望んでいると、ヴィーラ・タイサンティプラボブ(Veerathai Santiprabhob)知事は18日(金曜)、バンコクで開催されたフィンテックフェアで語っている。
他の当局と中央銀行が支援するデジタル通貨での協力について正式な合意はないものの、ディオクノ氏は次のように語っている。
これは継続的な知識共有と密接なコミュニケーションのプロセスになるでしょう。
記事参照:Bloomberg