米国、イスラム国アルカイダの口座を押収
アメリカ法執行当局が、アルカイダやイスラム国家などの過激派グループが、組織や暴力的な計画への資金提供に依存していた仮想通貨の口座から数百万ドルを奪ったと述べ、テロに関連する仮想通貨基金の史上最大の押収であると説明した。
外国のテログループとして指定された組織を含む過激派組織の資金調達を妨害するというより、広範な司法省の目標の一部でもある。ビットコインなどの仮想通貨は追跡が困難であると考えられていることから、違法取引の場で好まれて使用されている。ワシントン州の連邦裁判所に提出された秘密捜査の取調べと没収の申し立てを含む法的措置は、武器の購入と戦闘機の開発に必要な資金を組織から奪うことを意図していると、ジョンデマーズ検事総長は記者会見で発表した。
同省は、これまでに約200万ドルを没収し、さらに、300以上の仮想通貨アカウント、4つのウエブサイト、4つのFacebookページを没収したと述べている。差し押さえられた資金は、テロ攻撃の犠牲者への資金に回されると予想されている、と当局は語っている。
アメリカの調査の1つは、“アル・カーサム旅団(the al-Qassam Brigades)”で知られるハマスの軍事部門を標的としている。法執行当局はアル・カーサム旅団が運営する口座との間で資金を不正使用したとされる150以上の仮想通貨口座を押収した。また13日(木曜)には、検察官が仮想通貨に関連するマネーロンダリング(資金洗浄)を実行したとして2人のトルコ人に対して刑事告発している。
コロンビア特別区の代理を務めるマイケル・シャーウィン(Michael Sherwin)氏は、資金がなければ、これらの業務を実施できないと述べ、ここでの焦点は、これらの組織を広範囲に対象とする積極的な取り組みだと述べている。
また同省は、当局がグループの特定のハッキング作戦を管理しているイスラム国関係者によってシェファード(shepherded=指導・世話)されたという計画も特定している。検察は、ムラット・カカ(Murat Caka)容疑者が、トルコ国内でウエブサイトを登録し、Covid-19の防止に役立つフェイスマスクやその他の保護具を販売したと語った。マスクはトルコの会社によって製造されたもので、宣伝されているにもかかわらず米国食品医薬品局によって承認されていない。
司法省は、このサイトと、計画とイスラム国家の資金調達に使用された4つの関連ページを押収したと述べた。裁判所の文書によると、アルカイダと関連会社による別のスキームは、グループが慈善団体として行動すると主張しているにもかかわらず、攻撃のためにビットコインを介して資金を調達しようとしていると述べている。
先月、国土安全保障省の一部である国土安全保障調査の秘密捜査官が、寄付をしようとしている慈善団体の1人の管理者にメッセージを送り、管理者はカカ容疑者がアメリカの破壊を望んでいると答え、そのための準備資金を受け取る目的でビットコインウォレットアドレスを共有していると回答している。さらに、弾丸と爆弾はすべて手頃な価格だが、無人機系は数百万ドルもするような、対空機材好きでなければ取扱いも非常に難しいものだと管理者は書面で答えている。
今回の関連調査には、FBI、内国歳入庁、HSIなどの複数の機関の職員が関与したことが分かっている。