SBI、Sコインプラットフォーム構築を発表|決済アプリMoney Tapと連携
北尾吉孝氏が代表を務めるSBIホールディングス株式会社は27日、米R3社が提供するブロックチェーンソリューション「Corda」を使用したデジタル通貨の発行プラットフォーム「Sコインプラットフォーム」を構築したことを発表した。発表によるとSBIホールディングスは、2020年7月からSBIグループ社員を対象に実証実験を開始しているという。
今回の実証実験ではSBIHが発行する決済用コイン「Sコイン」の発行に使用され、Sコインプラットフォームと、SBIホールディングス子会社のマネータップ株式会社が提供するスマートフォン送金・決済アプリ「Money Tap(マネータップ)」が連携して動作する仕組みとなっている。
今回のSコインプラットフォームの構築は、従来のブロックチェーンプラットフォームの問題を解決しプライベート/コンソーシアム型のブロックチェーンソリューションであるCordaを用いて構築されており、前払式の支払手段の電子マネーや、様々な用途に応じて独自デジタル通貨の設計、発行が可能である。
スマートフォン送金・決済アプリであるMoney Tapは、銀行口座間の直接送金や、即時着金が可能なアプリケーションである。ユーザーが資金をチャージするには、マネータップアプリで銀行口座からSコインプラットフォームに直接送金を行うことで、Sコインが発行される仕組みだ。また決済については、マネータップ提携の決済サービス加盟店で可能となっており、従来は銀行口座残高から決済が実行されるが、今回の実証実験ではSコインの残高から支払いが実行される。
今回のSコインプラットフォームの構築についてSBIホールディングスは発表で、次のようにコメントしている。
SBIHでは、今回の実証実験を通じ、ブロックチェーンプラットフォームのさらなる活用・普及を図ってまいります。また、SBIグループではグループ全体で「地方創生」プロジェクトを推進しており、その一環として、地域金融機関等と連携し、複数地域でデジタル通貨発行を支援しております。本実証実験を通じてSコインプラットフォームの検証を行い、今後は地域通貨の発行プラットフォームとしても活用していく予定です。
SBIホールディングスは22日、ブロックチェーン技術を基盤とする資金調達STO(セキュリティー・トークン・オファリング)事業で野村ホールディングスと連携することを発表している。この提携では、BOOSTRYが展開するデジタル証券売買プラットフォーム「ibet」のユーザーを拡大することを目的としており、発表似て両社は「各社のブロックチェーンや証券トークンに関するノウハウや経験を共有し、証券トークン事業の拡大を目指している。」と述べている。