成長著しいシンガポール
2019年日本や中国、韓国で規制がより一層厳しくなっていった中、シンガポールがブロックチェーンのハブとして名乗りを上げ、2020年に突入してからもブロックチェーン関連企業の成長伸び率は著しい。
2018年からアメリカに次いでブロックチェーン関連企業が活発な動きを見せているシンガポールのブロックチェーン関連企業は、政府機関によってサポートされているIMDA(Infocomm Media Development Authority)が作成したマップには、現在234企業がブロックチェーン関連の事業展開をしている。
昨年は長い仮想通貨冬の時代を迎え、ブロックチェーンの年として、仮想通貨そのものよりも、根幹技術であるブロックチェーンにスポットが当たっている。
IMDAマップを見てみると、2019年より2020年の方がブロックチェーンはより成長スピードが加速している。このマップは、特定の事業部門によって編成されており、サービス部門やスマートシティ、プロトコル、インフラストラクチャーなどに分けられたうえで、各部門でさらに細分化あsれたマップを、誰もが自由に閲覧できるようになっている。
2020年の注目すべき追加は、DeFi(分散型金融)だ。これは、Temasek holdings(テマセク)が、Libra Associationと提携する最初のアジア企業になったため、世界的な勢いを増しているようだ。ブロックチェーンのスキルを必要とする仕事のグローバル採用数もシンガポールでは増加傾向にある。
2020年のマップでは、26に分けられたカテゴリー全体で234社がマップ上に掲載されている。これは、昨年と比べ、現時点ですでに91社の企業がマップに参加しており、50%以上の成長を意味している。
また、ブロックチェーン企業だけではなく、シンガポール政府も仮想通貨およびその関連事業に対して選挙区的な姿勢を見せている。IRAS(Inland Revenue Authority of Singapore=シンガポール税務当局である内国歳入庁)が今年4月、IRAS e-Taxガイド(課税ガイドライン)を発行。これにより、全てではないものの、趣味程度のマイニングに対し、非課税であるとの見解を示している。
なお、法定通貨に連動したステーブルコインは対象外となっているものの、日本の消費税制度にあたるGST(物品・サービス税)で仮想通貨を使った取引に対して免税措置が実施されている。
仮想通貨、ブロックチェーンと、政府の迅速な対応により、東南アジアのハブになったシンガポール。今後の政府の動きにも注目したい。