クジラによるビットコイン価格操作は「採用が増えると減少する」
ビットコインが投機としての対象から金融資産へと徐々に変化する中、それがビットコインにとって「不利」になるとは考えないが、「有利」になるのかという疑問も残っていた。Kraken Digitalのビジネス開発担当であるDan Held氏は、ポッドキャストの中でビットコインの金融化が恐る事象ではなく、害をもたらすものではないという私見を述べている。
「この業界では、金融機関が参入することでどうなるのかということについて多くの憶測や議論が行われています。しかしまず第一に考えたいのは先物オプションや貸し出し・借り入れなど様々な金融商品は全て一般的な市場活動であるということ。これらの金融商品は価格の透明性を強化し、流動性を高め、ビットコインなどを取り扱う事業者のリスクヘッジになります。」
金融機関や機関投資家が仮想通貨市場に参入する影響については、ビットコインがデジタルゴールドと呼ばれるように金が金融化した際の事象を分析すると似通った観点が観測される。貴金属が最初に金融化されたのは中央銀行が兌換紙幣を発行し始めた時で、現代では誰も疑いようのないぐらい生活に馴染んでいます。
一方ビットコインの金融化が引き起こす懸念点として、多くの資産家やプロトレーダーが参入することで彼らが価格をコントロールするようになるのでは?という点も払拭できていない。これに対してHeld氏は、ビットコインの普及と流動性の増加によりその影響は徐々に下がっていると主張している。
「巨額の仮想通貨を保有するクジラは、2012年以降大きな価格変動を引き起こす懸念がされてきました。しかしビットコインの普及が進み流動性の数が増えてくると、板取引での影響という意味ではクジラが与える側面は徐々に低下していっている。」
兌換紙幣が無尽蔵に発行されている現在、ビットコインが金融資産としての地位を気付けるのか重要な局面にいるのではないだろうか。