バイナンス、国家によるビットコイン備蓄構想で顧問役に

ビットコインのコインとバイナンスのロゴが並ぶイメージ画像。国家による備蓄構想を象徴。

国家戦略としてのビットコイン、バイナンスが各国から助言を求められる存在に

仮想通貨取引所大手のバイナンス(Binance)が、国家主導のビットコイン(Bitcoin/BTC)備蓄構想において、複数の国から政策顧問としての役割を求められている。

リチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)によると、政府系ファンドからの要請を受け、ビットコインを含む仮想通貨に関する政策立案や備蓄戦略への助言をしているという。米国の動向がきっかけとなり、仮想通貨を国家資産として捉える動きが広がっている。

米国の政策転換が引き金に

同CEOによれば、バイナンスは現在、仮想通貨政策やビットコインの戦略的備蓄について複数の国から直接助言を求められている。

背景には、トランプ前大統領が押収されたビットコインを活用して国家備蓄とする大統領令に署名した米国の動きがある。この方針転換により、他国でも仮想通貨政策の見直しが加速している。米国内では州単位での導入議論も進んでおり、テキサス州ではビットコイン準備金の創設を目的とした法案が提出された。こうした動きは連邦政府にとどまらず、地方自治体にも波及している。テン氏は「米国は他の多くの国よりもはるかに先行している」と述べ、ビットコインが今後、国際金融システムの一部となる可能性にも言及した。

信頼回復に向けた規制順守体制の強化

バイナンスは、過去に規制を回避する姿勢で批判を受けたが、現在ではコンプライアンスを重視する体制へと転換している。

同社は6,000人の従業員のうち1,500人以上をコンプライアンス部門に配置し、規制当局との連携を強化している。2023年にはCFTC(米商品先物取引委員会)との間で数十億ドル規模の和解に合意しており、同CEOは次のように述べている。

過去の課題から学び、今後は世界の金融システムとより調和する企業になる。

あわせて、これまで所在地を明示してこなかった同社は、グローバル本社の設立に向けて社内で検討を進めている。

中立的資産としてのビットコインに注目集まる

同CEOは、ビットコインの「中立性」が国家の注目を集めていると指摘。「ビットコインは国境を持たず、24時間365日、世界中で取引可能な真に中立的な資産だ」と述べ、地政学リスクが高まる中での価値を強調した。

特に経済制裁や通貨封鎖のリスクがある国々では、非中央集権的な仮想通貨への関心が高まっている。同CEOは「早期に導入した国や企業は恩恵を受けるだろうが、遅れた場合はその分のコストを支払うことになる」とし、国家間のビットコイン保有競争が始まる可能性にも言及した。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム