フェイスブックのリブラ、通貨を再設計|複数の通貨連動も計画とは?
フェイスブックとリブラ運営とパートナーは、仮想通貨プロジェクトLibra(リブラ)が複数バージョンのデジタル通貨をサポートすることをはじめ、世界中の懐疑的な規制当局からの規制緩和を受けるために通貨の再設計を計画している。今回、提案されたプロジェクトを監督する統治機関であるLibra Associationが通貨を再設計を行い、中央銀行の力と統制を損なう可能性があるとの懸念を金融規制当局に応じて変更することが目的のようだ。
というのも、フェイスブックが10か月前にリブラを発表したとき、単一のグローバル通貨を作成することを意図しており、米ドルやユーロなどの法定通貨や米国債などの証券を含むバスケットに固定されるとしていた。しかし、その計画は政治家や規制当局からの批判に直面し、リブラが中央銀行から一部の権力を奪い、市場に影響を与え保護するツールとしてマネーの作成を利用したり、マネーロンダリングなどの闇市場の目的に使用される可能性があるとの指摘を受けていた。
一方でフェイスブックのカリブラ部門のヘッドエコノミスト、クリスチャンカタリニ氏は「どの通貨が使用されるかはユースケースによって異なります。送金に関してはリブラがより良い選択肢であるかもしれませんが、単一通貨の安定した硬貨は消費者の母国での日常生活に役立ちます。」とあくまでリブラは通貨の選択肢の一つであることを述べている。
Libra Associationのポリシー責任者であるダンテ ディスパルテ氏によると、Libra Associationはすでに支払いライセンスについてスイスの規制当局との協議を開始しており、「金融サービス事業」としてFinCEN(米国金融犯罪執行ネットワーク)に登録する準備を進めているとのことだ。また、今回の動きはリブラのパートナーにも影響を与える可能性があり、昨年にはVisa、Mastercard、PayPalなどの企業がリブラとの提携を脱退しているが、この変更により多くの企業がメンバーとして協会に参加する道が開かれるのではないかとの期待の声も挙がっている。