FATFトップ、「Facebook仮想通貨リブラを注意深く監視している」
大手SNSを提供するFacebook(フェイスブック)の仮想通貨プロジェクトLibra(リブラ)に対する監視の目はいまだに衰えることはなさそうだ。
マネー・ロンダリング対策における国際協調を推進するため設立された政府間機関であるFATF(Financial Action Task Force on Money Laundering)は、「(Facebookが計画する仮想通貨Libraの)動向を注意深く監視している」と、ロイターの関係者に語っていることから明らかになった。
パリに拠点を置くFATFのCEOであるXiangmin Liu氏は今回、ロイターの関係に対して、仮想通貨プロジェクトLinraの動向を次のように監視しているという。
「重大なリスクがある場合、それらに対処する必要があることを確認したい。」
FATFは、仮想通貨市場で問題となっているマネーロンダリングについても、警戒を強めている。FATFはマネーロンダリング問題に取り組むため、30年前に設立。今年6月には、通貨のマネーロンダリングと資金調達の際に使用される仮想通貨の監視強化をするため、各国の仮想通貨取引所などへ監視強化するように伝えていた。
マネーロンダリングなどの問題は「氷山の一角に過ぎない」
Xiangmin Liu氏は最近、ロンドンで開催されたイベントにて、仮想通貨の違法な使用は、急激なペースで加速していることを主張し、マネーロンダリングだけではなく、麻薬の密売など、世界各国で仮想通貨を使用したマネーロンダリングは、一部に過ぎないと述べている。
「仮想資産によって提供される匿名性は、深刻な犯罪者に悪用されています。これらの活動(マネーロンダリングや麻薬の密売など)は、法執行機関が氷山の一角だけを見ているため、急速に成長する可能性が高い。」
仮想通貨市場には、匿名性を重視した仮想通貨やそれらに関するプロジェクトが発展している。インターネット上に存在するダークウェブでは、毎日違法な取引が行われており、問題解決に膨大な労力を強いられている状況だ。
最近では、ビットコインが麻薬や児童ポルノなどの違法なオンライン市場での使用が10億ドルを超えていることが明らかになり、Xiangmin Liu氏が語る「これらの活動は、氷山の一角に過ぎない。」が本当であれば、防ぎようのない状況になる可能性が高い。