中国人民銀行、84のデジタル決済特許を申請
中華人民銀行は新たにデジタル決済に関する84の特許を申請している。申請された特許の内容は、中国人民銀行によるとデジタル通貨の発行や供給、銀行決済システム、ウォレットと既存銀行口座との紐付けなどがあるようだ。
過去にデジタル人民元の開発部署にいたマーク・カフマン弁護士は、「実質的にこれらの特許出願の全ては、デジタル通貨のシステムを、既存の銀行インフラに統合することに関係しています」と語っている。
デジタル人民元は、中国人民銀行の監視下に置かれるか
申請している84件の特許の中には、ローン金利などを引き金に、中央銀行がデジタル通貨の供給量を調整できる計画があるのではと読み取れるようなものもある。中国人民銀行は当初、デジタル人民元を自ら発行するのではなく、銀行を通して人民元と交換することで取得できると明言していた。しかし供給量を調整できるのであれば、中国人民銀行が明言していた方法に矛盾が生じるように思う。
Chamber of Digital Commerceの代表であるペリアン・ボーリング氏は、個人取引でのプライバシーを保護する特許はあるが、中国政府による取引の追跡を妨げるメカニズムは、存在していないと述べている。
自民党の議員連盟は中国の動きを警戒
自民党の議員連盟は、中国がデジタル通貨の発行を急速に発展させていることから、通貨の主権が奪われてしまうのではと危機感を示している。これに伴い、甘利氏が会長を務める「ルール形成戦略議員連盟」は、デジタル通貨を発行するための準備をするべきという提言を表明しており、2月中にも提言書を提出するようだ。
また、自民党の山本政調会長も、2~3年以内に自国のデジタル通貨発行を目指すと述べており、「早ければ早いほどいい」と意気込んでいる。山本氏は、甘利氏の議員連盟の動きに賛同しており、提言が通るように協力する発言をしているが、活発な中国の動きを背景に。日本がどのような動きを見せるか注目だ。