G20で仮想通貨規制合意の見通し|6月に大阪で開催
2019年6月8~9日に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨(暗号資産)のアンチマネーロンダリングとテロ資金供与対策を目的とした新規制に合意する見通しになったことがわかった。4日、共同通信社が報じた。取引時の本人確認の厳格化などで各国の足並みをそろえ、不正な資金の流れを遮断することが狙い。
仮想通貨については過去にもG20の議題に上ってきたが、規制合意への見通しが立ったのは今回が初となる。
日本は2017年の改正資金決済法で世界に先駆けて仮想通貨交換業者の登録性を導入した他、今年の3月15日にはアンチマネーロンダリング等を目的とした改正金融商品取引法・改正資金決済法を閣議決定するなど、仮想通貨に関する法整備で先行している。
今回、議長国を務めるG20でも世界をリードしたい考えのようだ。
北朝鮮への制裁逃れ封じの一面も
国連では、北朝鮮がコインチェックなど仮想通貨取引所へのサイバー攻撃で奪った仮想通貨を換金することで、不正に外貨を取得していたとする報告書が提出されている。
仮想通貨は取引の匿名性が高いため、マネーロンダリング(資金洗浄)を行いやすいと言われている。G20では声明で名指しすることは避ける見通しだが、今回の規制合意にはこうした北朝鮮の経済制裁逃れを封じる目的もあるという。
G20は主要20カ国・地域首脳会議を大阪で、G20財務相・中央銀行総裁会議を福岡で開催される予定であり、日本で開催されるのは今回が初となる。