ベネズエラの大手百貨店Trakiが、国内の49店舗にブロックチェーン対応のレジを設置する。同社が22日発表した。
Trakiは、30年以上の歴史を持つベネズエラ最大のデパートチェーン。主要都市を中心に展開し、ファッションから食品、キッチン用品などを幅広く取り扱っている。発表によると、シンガポールに拠点を置くブロックチェーン企業、Pundi XのPOS(販売時点情報管理)端末「XPOS」を導入し、買い物客に暗号通貨の支払いを提供していく。
PundiのXPOSはすでに世界30カ国に展開しており、目標として2021年までに10万個のXPOSを販売することを目指している。
Pundi XのCEO、ザック・チーアは、Trakiの店舗におけるXPOSの展開についてこう述べている。
「ブロックチェーンテクノロジーを、買い物など実際のユースケースに合致させることを使命に掲げ、XPOSを開発した。Trakiの顧客がより良い支払い体験をするのに、XPOSがどのように役立つか楽しみにしている」
さらに、チーアは、Trakiがベネズエラのブロックチェーンテクノロジーの早期採用者であると評価した。
一方で、Trakiの暗号通貨部門の責任者であるMichael Gomez氏は次のように述べた。
「Pundiの約30万人のウォレットユーザーのうち、約10分の1がベネズエラ国民。今回のPundiXとのパートナーシップ締結は、我々の店舗で、法定通貨と同じくらい暗号通貨が使いやすく、利便性があるというコミットメントを強固なものにしてくくれるだろう」
XPOS支払いシステムは、ビットコインキャッシュとイーサリアム、バイナンスの取引所トークン・バイナンスコイン、Pundi Xが独自開発したプンディエックスなどを含むさまざまな暗号通貨での支払いをサポートしていく。
現在、法定通貨ボリバルの過度なインフレや国内経済の混乱により、多くのベネズエラ人が、資産価値の防衛手段として暗号通貨を採用している。2018年、同国のマドゥロ大統領が、米国からの経済制裁を回避する手段として、石油備蓄をベースにした暗号通貨「ペドロ」の開発を発表。最近になって、マドゥロ大統領は、国内の大手銀行と国有企業に対し、ペドロの使用を命じている。