ロート製薬、独自通貨「ARUCO」を導入|拡がる社内通貨導入の動き

ロート製薬、独自通貨「ARUCO」を導入|拡がる社内通貨導入の動き

ロート製薬株式会社(本社:大阪市)は7日、かねてより取り組んでいた健康経営の一環として、従業員の健康増進を目的とした健康社内通貨「ARUCO(アルコ)」を導入したと発表した。従業員の日々の健康的な生活習慣の実施状況に応じて付与されるARUCOコインを利用することで、健康食ランチチケットや特別休暇の取得を含む幅広い特典を受けられるというものだ。

ARUCOとは

「ARUCO」は健康をコンセプトとした社内通貨であり、日々の歩数や早歩き時間、スポーツ実施や非喫煙など健康的な生活習慣の実施状況に応じてコインがたまる。獲得したコインは同社が運営するカフェ・レストラン等でのヘルシーランチチケットや、マッサージ等のリラクゼーション施設体験、健康に関する社内セミナーや各種研修への参加、そして更には心身のリフレッシュを目的とした特別休暇の取得などにも利用できるという。

同社では、これまでも従業員自らが前向きに健康づくりに取り組むことを目指した取組を実施してきたが、なかなか生活習慣の見直し・改善が図れていない従業員も多かったという。「ARUCO」では毎日の行動によってコインが貯まり、社内イントラでいつでもコインの獲得状況を確認したり利用申請ができる仕組みが整っており、単に健康を意識するにとどまらず、実際に日々の行動を変えていくことにまで繋げていきたい考えだ。

社内通貨導入の動き拡がる

「ARUCO」のように社内限定の通貨を発行する動きは、多くの企業に拡がりつつある。

やりたい仕事は自ら落札…「Will」

半導体切断装置の最大手である株式会社ディスコ(本社:東京都大田区)では、2011年に社内通貨「Will」を導入している。ディスコでは社内のあらゆる仕事や物事に「Will」による金額設定がされており、仕事をすればその分の「Will」が収入として、逆に他者への仕事依頼や備品の使用など社内リソースを使用すればその分の「Will」が支出として計上される。つまり、管理会計を個人別に展開しているようなイメージだ。

更に、多くの仕事は「社内オークション制度」に出品されており、社員は仕事内容を確認した上で担当したい仕事を落札する。オークションの名が示す通り、人気のある仕事はやりたい人が多いため価格が下がっていき、逆に人気が無い仕事は落札してもらうためにどんどん価格が高くなる。「Will」の残高に応じて賞与の一部の金額が変わるため、より困難な業務に挑む社員のモチベーションアップにつながるというわけだ。

感謝の気持ちを贈り合う…「サンクスコイン」

システム開発・Webサイト制作の株式会社サンロフト(本社:静岡県焼津市)の「サンクスコイン」は、もう少し穏やかな取り組みだ。同社が開発・販売するSNS型業務日報システム「ナノティ」をベースに活用し、社員同士が仕事を手伝ってもらった際のお礼の気持ちとして、「サンクスコイン」を贈ることができる仕組みを2018年1月に導入した。

「サンクスコイン」は社員一人当たりに毎月500枚支給され、1コイン=1円として社内のカフェで使用できる。また支給されたコインでは買い物はできず、あくまで他の社員から送ってもらうことで初めて価値がつく仕組みにしたことで、「サンクスコイン」の活用が拡がり社員同士の交流も活発になったという。

社内通貨と仮想通貨

「働き方改革」や「仮想通貨」というキーワードが話題になるのと時を同じくして、社内通貨を導入する企業が増えてきた。

社内通貨の導入によって目指す姿は企業によって様々。必ずしもそれら全ての通貨がブロックチェーン技術によって構築されているわけではないかもしれないが、目的に応じて自由にデザインされたオリジナリティ溢れる通貨が数多く誕生している姿はまさに、自由な発想とコミュニティによって数多くのアルトコインが誕生している仮想通貨と重なる部分があるだろう。

これもまた、仮想通貨が示す可能性のひとつなのかもしれない。

ABOUTこの記事をかいた人

Bonito

仮想通貨投機の熱気に陰りが見え始めた2017年の暮れ頃から仮想通貨に関わり始め、投機よりも実用面に高い関心を持つ。国産仮想通貨プロジェクトやWebサービスの運営に携わりつつ現在に至る。