インドのIT業界団体が仮想通貨は違法であるとの見解を公表

今月25日、インドのIT業界団体ナスコム(インドソフトウェアサービス協会)のDebjani Ghosh会長は仮想通貨はインド国内では非合法とする協会の意見を発表したことをCNNが報じた。

また、つい最近インドで初となる仮想通貨の取り扱いが可能なATMを設置したとしてインドの大手仮想通貨取引所であるUnocoin(ウノコイン)の共同創業者であるHarish Bv氏がインド警察当局により逮捕された事などを含め、インド国内での仮想通貨に対する法的扱いが今後どのようなものになっていくか注目を集めている。

ナスコム(NASSCOM)の会長は「仮想通貨が非合法であるということは火を見るよりも明らかである。」とし、以下のように指摘した。

それはインドの法律で定められていることである。それゆえ私たちはそれに準じて行動する必要がある。もしそれに同意することが出来ないのならば、私たちは政府に出向きなぜ仮想通貨が違法であるかを再び話し合わなければならない。

インド国内ではビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨は合法的な支払い方法、投資などの金融的な商材としての認知は現状されていない。また、一方で仮想通貨は非合法であるとも明確には発表されていない。

またナスコムはインドで初となる仮想通貨ATMを設置したとしてUnocoinの共同創業者が逮捕された件について、詳細は確認していないとした上で以下のように述べた。

このような問題の発端は、急激な技術革新についていくことが出来ない政策にある。ナスコムは新しい技術の開発と政策を形作ることで生まれる相乗効果を追っていく。

インドの財務大臣を務めるArun Jaitley氏は2018、19年度の予算演説にて

インド政府の見解では仮想通貨は合法の通貨であるとは思っておらず、違法な活動に使われる可能性のある仮想通貨に対し厳しく取り締まっていく方針である

と述べている。

これに対しUnocoinのCEOを務めるSathvik Viswanath氏は次のように発言している。

インド政府は仮想通貨は合法ではないと発言していたが、違法だとは発言していなかった。政府のこの発言は自身の投資に責任を持つ必要があり、また仮想通貨業界には規制がないということを意味するだけだ。

インドで仮想通貨ATMを設置したとして仮想通貨取引所の創業者が逮捕

2018.10.24

インドではこのように仮想通貨に対する法的措置が曖昧なことから、インド最高裁に嘆願書が送られている。しかしインド最高裁ははっきりとした回答は出しきれていないようだ。インドの中央銀行であるRBI(インド準備銀行)は今年の4月に金融機関による仮想通貨の取引を禁止すると発表。また7月には金融機関に3カ月以内に仮想通貨関連のサービスの停止するようインド最高裁が命じている。

ナスコムは仮想通貨に対し否定的な意見を述べているが、去年はインドの首都ニューデリーに特別利益団体を創設し、ブロックチェーンの技術開発に対し多額の資金援助を行っている。また今年の2月にはカナダのブロックチェーン企業と提携した事も発表している。