GMOコインやZaifを含む7社に行政処分
3月8日に、金融庁が仮想通貨交換業社7社を一挙に行政処分しました。そのうちの「FSHO」「ビットステーション」は業務停止命令、「Zaif」「GMOコイン」「Coincheck」「バイクリメンツ」「ミスターエクスチェンジ」は業務改善命令が出されています。
業務停止停止命令が出された2社のうち、「FSHO」は “100%株主であった経営企画部長が、利用者から預かった仮想通貨(ビットコイン)を私的に流用していた事実が認められた” とのことです。
「ビットステーション」については、 “複数回にわたる高額の仮想通貨の売買にあたり、取引時確認及び疑わしい取引の届出の要否の判断を行っていない。 また、取引時確認を検証する態勢が整備されていないほか、職員向けの研修も未だ行っていないなど、社内規則等に基づいて業務が運営されているとはいえない。” という状態であることから業務停止命令が出されました。
そして何より「Coincheck」が2回目の業務改善命令が出されたことです。同社は今年の1月末に仮想通貨NEMの不正出金事件が起こり即座に金融庁より業務改善命令が出されていました。
1. コインチェック株式会社(本店:東京都渋谷区、法人番号1010001148860、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)附則第8条に基づく仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)においては、平成30年1月26日(金)に当社が保有していた仮想通貨(NEM)が不正に外部へ送信され、顧客からの預かり資産が流出するという事故が発生した。
これを踏まえ、同日(26日(金))、当社に対し同法第63条の15第1項の規定に基づく報告徴求、29日(月)に同法第63条の16の規定に基づく業務改善命令を発出し、2月13日(火)に報告を受け、2月2日(金)に金融庁において立入検査に着手した。
2. 資金決済に関する法律第63条の15第1項に基づく報告、同法第63条の16に基づく業務改善報告、立入検査により当社の業務運営状況を確認したところ、取り扱う仮想通貨が内包する各種リスクを適切に評価しておらず、例えば、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスクなど各種リスクに応じた適切な内部管理態勢を整備していなかったことに加え、昨年秋以降、業容が急激に拡大する中、業容拡大に応じた各種内部管理態勢及び内部監査態勢の整備・強化を行っていないことが判明した。
これは、取締役会において顧客保護とリスク管理を経営上の最重要課題と位置付けておらず、経営陣の顧客保護の認識が不十分なまま、業容拡大を優先させたことによるものであり、また、監査役も機能を発揮していないなど経営管理態勢及び内部管理態勢等に重大な問題が認められたことから、本日、以下の内容の業務改善命令を発出した。
(1) 適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
- 経営体制の抜本的な見直し
- 経営戦略を見直し、顧客保護を徹底
- 取締役会による各種態勢の整備
- 取り扱う仮想通貨について、各種リスクの洗出し
- マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る対策
- 現在停止中の取引再開及び新規顧客のアカウント開設に先立ち、各種態勢の抜本的な見直し、実効性の確保
(2) 顧客との取引及び顧客に対する補償に関し、当局に対し適切な報告
(3) 上記(1)に関する業務改善計画を平成30年3月22日までに、書面で提出
(4) 業務改善計画の実施完了までの間、1ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月10日までに、書面で報告関東財務局HPより参照
日本国内の仮想通貨交換業者が一斉に行政処分が行われたことで、仮想通貨がなくなることはないでしょう。また、価格の下落起こることは必然的です。金融庁の登録を行っていた「Zaif」や「GMOコイン」も業務改善命令が行われたとなると市場に不安もでてきました。しかし、国の整備が入り中央集権取引所の整備が確実に行われている状況は、今の世界情勢から見ても早く良い判断ではないでしょうか。今後は各国の整備・規制の状況を充分に見て対応することになりそうです。
Ripple(リップル)社がアプリ「Money Tap」の開発に61の銀行が始動
日本国内での総銀行資産の約80%以上を占めている、「住信SBIネット銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」など61の銀行が、Ripple(リップル)社のブロックチェーン技術を使用し決済アプリ「MoneyTap(マネータップ)」の発売に向けて開発を進めています。
このアプリは、「SBIネット住信銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」の3社が2018年秋に公開する予定で、その他の参加している他銀行も大手銀行に続いて参加する予定だそうです。
リップルは今年の2月からサウジアラビアの中央銀行と提携し、決済システムの実装を形にすることを進めています。今年の3月には韓国政府でも、海外送金にリップルの決済技術を利用する意思を示しています。
日本国内での決済システムは他国に比べて遅れを取っています。中国では大手eコマースの「アリババ」が市場をシェアしており、「住信SBIネット銀行」「スルガ銀行」「りそな銀行」などの既存の大手企業を中心に発展していくかと思います。
海外取引量No.1「Binance」がハッキング被害?
昨日7日から今日の8日にかけて仮想通貨全体の価格が下落しています。一時、Bitcoinは9,400ドル(約99万円)まで下落しました。
Binanceは、不正な取引における仮想通貨の売買を停止しています。
Binanceの取引所としての安全性に対する不安の声があるなか、Binanceは、「取引所本体に全く問題はない。被害を受けているのはあくまで一部のユーザーであり、APIキーを発行している者のみだ。」とコメントしました。
APIキーとは、あるWEB上のなプリなどの機能を別の場所で利用するために用意されたシステムです。ユーザーはBinanceのAPIキーを発行する事で、ユーザー自身が管理するサイトやプログラム上でBinanceの情報・機能を使う事ができるようになっていました。現時点で、APIキーを発行していたユーザーだけが被害にあっているとの事で、それ以外のユーザーに影響は出ていないようです。
Binanceは、現在問題究明に尽力を注いでおり、昨夜から強くアナウンスしていることは、Binanceと顧客の資産は無事であるという事です。