香港証券先物事務監察委員会が仮想通貨取引所JPEXを取り締まる
香港SFC(香港証券先物事務監察委員会)は投資家に対し、規制当局の承認を得ずに運営されている仮想通貨取引所JPEXについて注意を払うよう勧告した事が分かった。
香港SFCは2023年9月13日(水曜日)の発表で、JPEXグループ傘下の企業はいずれもライセンスを取得しておらず、規制対象のVATP(仮想資産取引プラットフォーム)の運営申請も行っていないと述べた。代わりに、JPEX はソーシャルメディアのインフルエンサー、KOL(キーオピニオンリーダー)、OTC(店頭仮想通貨両替業者)を活用して、香港の顧客に自社の製品とサービスを宣伝している。
同SFCは、JPEXとそのプロモーターに関連するいくつかの懸念される活動について概説。これらには、JPEX公式サイトでの虚偽の記述が含まれており、JPEX は外国の規制当局によって規制されているVATPとして規制されているほか、同社は特定の製品については21%もの高い年間収量を提供していると主張している。
香港SFCはJPEXによる香港上場企業との業務提携の発表は不正確と指摘
香港SFCは、プラットフォームから資産を引き出すのが難しいと報告したり、投資額の変化や減少が観察されたと報告した個人投資家からの苦情も受けている事を明らかにしている。
SFCは、JPEXによる香港上場企業との業務提携の発表は不正確であり、当該企業はすでに提携を解消しており、仮想通貨取引所への投資も行っていないことを明らかにした。SFCは住民に対し、破産、ハッキング、横領によって失われた資金は取り戻せない可能性があることを強調し、規制されていないプラットフォームを扱う際には注意するよう勧告。過度に楽観的な投資収益やソーシャルメディアで投資アドバイスを提供するインフルエンサーに対しても同じく警告している。同報告書は、有料プロモーターが必ずしも十分な財務および投資の専門知識を持っているとは限らないことを指摘しており、関連するインフルエンサーとOTCショップは、JPEXとその商品の宣伝を停止するよう指示された。
JPEXによる公式声明と対応
JPEXはブログの中で、SFCの警告に応え、2023年2月に香港で仮想通貨取引ライセンスを取得する意向を公表したと述べている。
当時、このプラットフォームは香港のユーザーにデリバティブ、スポット取引、ステーキングなどのさまざまなサービスを提供する計画があったが、規制当局の承認を待っていたが、JPEXは進行中の準備と書類要件のため、まだ申請を提出していないと述べている。
また、同取引所は香港SFCの声明がWeb3ハブになるという香港の願望に及ぼす影響について懸念を表明したうえで、規制当局の行動から不当な圧力を感じていることにも言及しており、JPEXは同地域でのライセンス申請を取り下げる可能性を示唆したうえで、声明の中で次のように述べている。
香港SFCによる不当な弾圧によって当社は、香港地域でのライセンス申請を取り下げることを検討し、それに応じて今後の方針展開を調整することになりました。また、香港における仮想通貨開発の見通しを損なった全責任を負うべきである。
なお、当NEXTMONEYの2022年2月23日付特集記事「日本取引所グループが仮想通貨取引プラットフォーム詐欺に対して警告」でも報じているように、株式会社日本取引所グループ(JPX、Japan Exchange Group, Inc.)とは別事業体であり、JPXは一切関係がないとの公式声明を発表している。