Circle、SECにステーブルコインの「現金扱い」を要請——手数料ゼロ化(ヘアカット撤廃)を目指す

ステーブルコインの現金同等指定と現行評価減の見直し

SEC(米国証券取引委員会)が推進する暗号資産関連の資金調達規則案に対し、ステーブルコイン大手Circle(サークル)社が提出したパブリックコメント(意見書)の内容が明らかになった。

米ドル連動型ステーブルコインUSDCの発行元として知られる同社は、決済用ステーブルコインの市場位置づけを明確にし、オンチェーンでの効率的な資本形成を実現するために多角的な法的・制度的改善を求めている。

Circle社がSECに求めている主要な要請の一つが、一定の法的基準を満たす決済用ステーブルコインを「現金」として認定することだ。具体的には、米ドルの価値と1対1で交換可能な確実性の高い暗号資産について、資金調達の上限額算定や証券発行規定における評価を「米ドル現金と同等」として一貫管理する仕組みを提示している。

併せて、証券業者(ブローカー・ディーラー)の財務計算における規制緩和も強く主張されている。現行のSECガイダンス(FAQ)では、事業者が自己勘定で保有するステーブルコインのポジションに対し、純資本計算時に2%のヘアカット(評価減)が適用されている。

Circle社は適切な客観的保護措置を講じることを前提に、この減額率をゼロへ引き下げ(事実上の撤廃)、実質的な手数料・取引コストを撤廃することを提言した。この見直しにより、証券業者の資金効率が大幅に向上すると期待されている。

連邦法GENIUS法との整合と透明性の確保

意見書では、SECの新しい募集規則案(Regulation Crypto Assets)を、連邦ステーブルコイン関連法案であるGENIUS Act(GENIUS法)の定義と合致させる必要性が指摘された。同法に準拠した決済用ステーブルコインのみをオンチェーン資本形成の対価として認めることで、健全な取引環境を整備する狙いがある。

同社は、トークン発行体と決済手段としてのステーブルコインの役割を厳密に区別するべきだと主張している。具体的には、ステーブルコインを受領したからといって、その発行元が資金調達を行う企業の負債や義務を負うわけではない点などを整理し、顧客預かり資産の分別管理や適切な会計処理のルール確立を求めている。なお、SECが提示している規則案には、期間や金額、4年で最大500万ドル(約8億円)、12カ月で最大7,500万ドル(約118.5億円)などに応じた免除規定が盛り込まれており、これらを利用する際の情報開示義務や投資家保護規定との調和も重要課題となっている。

ネットワーク運用における免責(セーフハーバー)とインフラの保護

実務・技術面においてCircle社は、ブロックチェーンの稼働維持に関わる作業への過度な証券規制適用を回避するよう呼びかけている。

暗号資産がハウイテスト等で証券とみなされる判定基準の一つであるessential managerial efforts(本質的な経営努力)について、メインネット稼働後のバリデータ(承認者)の維持管理やシステムアップデートといった技術的タスクはこれに該当しないと明確化するよう求めた。

こうした免責規定(セーフハーバー)が認められれば、開発者は意図しない規制違反のリスクを負うことなく、稼働中のネットワークの技術革新やセキュリティ向上を継続できるようになる。

同社が推進するイーサリアム(Ethereum)互換のパーミッションレスネットワークArc(アーク)のように、大手金融機関や決済企業がバリデータとして参加する高速決済インフラの普及に向け、技術的中立性と明確なガイドラインの提示を訴えている。

 

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