米暗号資産大手Coinbaseへの上場と3つの主要チェーン対応
暗号資産・ブロックチェーン分野の大手ソリューションプロバイダーであるRipple(リップル)社は、米最大級の暗号資産取引所Coinbase(コインベース)との戦略的提携を発表した。
これにより、同社が発行する米ドル連動型ステーブルコインRipple USD(RLUSD)がCoinbaseのプラットフォーム全体へ正式に上場した。本取引では、個人投資家向けのCoinbase Retail(コインベース・リテール)アプリをはじめ、機関投資家向けのCoinbase Prime(コインベース・プライム)やCoinbase Exchange(コインベース・エクスチェンジ)を通じてRLUSDの売買・管理が可能となる。
ユーザーは米ドルや他社製の対応米ドル建てステーブルコインと1対1の等価レートで交換できるほか、将来的にはCoinbase Global Exchange(コインベース・グローバル・エクスチェンジ)にてデリバティブ取引等の担保資産としても活用できるよう整備が進められている。
対応するブロックチェーンは、Ripple社主導のXRP Ledger(XRPL)に加え、Ethereum(イーサリアム)およびCoinbase開発のLayer2ネットワークBase(ベース)の3系統だ。これらの相互入出金がサポートされることで、異なるエコシステム間での滑らかな資産移動が実現する。
さらにRipple社は、Base上での市場定着と利便性向上を図るため、自ら流動性供給(ライクイディティ・プロバイド)を行う計画も示している。
機関投資家市場への展開加速と関係幹部の評価
今回の統合における最大の焦点は、膨大な資金力を持つ機関投資家層に対するアプローチの強化だ。Coinbaseの基盤に接続したことで、単なる暗号資産の現物取引にとどまらず、決済、資産の保管(カストディ)、プライム・ブローカレッジ、DeFi(分散型金融)に至るまで、大口投資家の実務ニーズに応える総合的な利用環境が整った。
Ripple社でステーブルコイン部門を統括するジャック・マクドナルド(Jack McDonald)シニア・バイス・プレジデントは、コンプライアンスを満たした高品質なステーブルコインへの需要に応えるには、機関投資家が既に信頼・利用しているインフラを介してアクセスを提供することが重要であると説明。今回の合意により、米国市場における最大級の機関投資家基盤に対し、取引執行から保管までの各種サービスを一元的に提示可能になったと強調している。
また、Coinbase Institutional(コインベース インスティテューショナル)の共同CEOであるブレット・テジポール(Brett Tejpall)氏も、多様な決済手段を求める大口顧客の期待に触れ、高い安全性と法規制遵守を誇る単一プラットフォーム上で顧客自らが最適な戦略資産を選択可能にする有意義な一歩だと歓迎の意を表明している。
時価総額26億ドル突破と強固な裏付け資産・格付け評価
2024年12月のローンチ以来、RLUSDは暗号資産取引所や各種金融プラットフォームへの採用を急速に拡大させており、時価総額はすでに26億ドル(約4,103億円規模)を突破している。CoinbaseではこれまでCircle(サークル)社発行のUSDCが主力として扱われてきたが、PayPalのPYUSDやOpen USDに加え、RLUSDがラインアップに加わることで、ステーブルコイン市場の競争と選択肢の拡充が一段と進む格好だ。
RLUSDの価値安定と高い信頼性は、その厳格な準備資産によって担保されている。裏付けとして米ドル預金、短期米国債、その他の現金同等物が保持されており、いつでも米ドルへの確実な償還が保障された設計となっている。
こうした安全性が評価され、大手信用格付け機関のムーディーズ(Moody’s)はRLUSDに対し、長期預金格付け「A2」および短期預金格付け「P-1」を付与。裏付け資産の圧倒的な信用力と透明性の高さが第三者機関によって証明された形だ。
さらにRipple社は、金融インフラの支配力を高めるため全米規模の信託銀行(ナショナル・トラスト・バンク)の設立承認を取得しており、将来的に裏付け資産の自社管理やカストディ事業の独自展開を目指している。また、投資アプリ大手Robinhood(ロビンフッド)との連携も進めるなど、伝統的金融とWeb3領域を架け橋する主要デジタルドルとしてのポジションを強固に固めつつある。
























