100社以上がシンガポールでの仮想通貨ライセンス取得に失敗
シンガポールで仮想通貨サービスを提供するために、ライセンスを申請した100社以上の企業がすでに却下されていることが分かった。Nikkei Asiaが報じた。
シンガポールは仮想通貨セクターの規制を開始して以来、176社がシンガポール中央銀行「Monetary Authority of Singapore(MAS)」が付与するデジタル決済トークンサービス事業の認可ライセンスを申請していた。しかし、ライセンスを申請した176社の内、100社以上の企業の申請が拒否、または申請を取り下げる結果となっていることが明らかになっている。
MASは、当局が仮想通貨とブロックチェーンの採用をサポートしたいと述べているが、他方ではそのリスクも認識しているようだ。これについてシンガポールの中央銀行であり仮想通貨セクターの規制当局であるシンガポール金融管理局(MAS)のスポークスパーソンは「仮想通貨は、取引のスピードと国境を越えた取引の性質のために、マネーロンダリング、テロ資金調達、または拡散資金調達のために悪用される可能性があります。」と述べ、次のように続けた。
シンガポールのデジタル決済トークンサービスプロバイダーは、適切な顧客デューデリジェンスの実施、定期的なアカウントレビューの実施、疑わしい取引の監視と報告など、このようなリスクを軽減するための要件に準拠する必要があります。
実際、これまでのところ、MASのWebサイトにライセンスエンティティとしてリストされているのは、東南アジア最大の銀行であるDBSGroupHoldingsの一部門であるDBS Vickers Securities、デジタル決済のスタートアップFOMOPay、オーストラリアのIndependent Reserveの3社のみである。
シンガポールの仮想通貨企業に対する動向
シンガポールは一時的に認可の免除を認めるなどの措置も講じているが、仮想通貨企業からは、ライセンス付与の基準が透明性に欠けており、大手企業や海外の取引所を優先して事業を許可しているのではないかとの批判もある。最近では、ドバイを拠点とするかそう通貨取引所BitxmiのCEOであるSanjayJain氏が、シンガポールの支店がMASからのライセンスを確保できなかったと述べている。
一方で、BinanceのCEOであるChangpengZhao(CZ)は、シンガポールの取引所が閉鎖された理由は、シンガポールの規制された証券取引所であるHg Exchange(HGX)の18%の株式によるものであると説明。ブルームバーグはBinanceがライセンスの要件を満たすことができなかったためであると報告している。
また、今回報じられた176社のうち、70社が申請の結果待ちの状態になっているとのことだが、多くの企業には厳しい結果が待っていると予想される。