米国政府が10億ドル超のビットコインを移動
米国政府が暗号資産市場において再び大規模な資産移動を実施し、投資家やトレーダーの間で大きな注目を集めている。
ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligence(アーカム・インテリジェンス)のデータによると、政府関連のウォレットから12,267 BTC(約1,588.8億円相当)が新規の未特定アドレスへと送金された。今回の動きは、暗号資産市場の価格動向や政府の保有方針に直結するトピックとして波紋を広げている。
12,267 BTC移動の背景と詳細
今回動かされたビットコインは、2016年に発生した大手暗号資産取引所Bitfinex(ビットフィネックス)へのハッキング事件に端を発するもので、当時、ハッカーによって119,000 BTCを超える膨大な資金が不正流出。その後の捜査によって米国当局が約94,000 BTC以上を回収していた。
Arkhamのオンチェーンデータによると、2026年10月8日(木曜日)の午前9時33分(※日本時間の同日23:33頃)、当該の押収資産を保管していた政府ウォレットから単一のトランザクションで12,267 BTCが移転された。そのほとんどが所有者の特定されていない新規アドレスへ送られ、ごく一部が別ウォレットへと振り分けられた形となっている。
なお、直近ではこれに先立ち、政府関連のウォレットから大手カストディサービスのCoinbase Prime(コインベース・プライム)へ数十万〜数億ドル規模のUSDTやBTC、BNBなどが相次いで送金されていたことも判明している。
送金=即座の売却ではない理由
これほどの巨額な資金移動が確認されると、市場では「売り浴びせによる価格下落リスク」が警戒されがちである。しかし、暗号資産アナリストや専門家らは、今回のウォレット間移動が直ちに市場での売却を意味するわけではないと指摘している。
政府機関が押収した仮想通貨を動かす目的は、セキュリティ向上のためのウォレット管理、保管先の変更、法的手続き上の整理など多岐にわたる。また、Coinbase Primeをはじめとするプラットフォームはカストディ=資産保管サービスも提供しているため、入金されたからといって即座に市場へ放出されるとは限らない。
とはいえ、送金先のアドレスからさらに資金が動いた形跡が確認されているケースもあり、市場参加者は引き続き警戒感を持ってオンチェーンの動きを注視している。
米国政府の暗号資産戦略と市場への影響
こうした政府の動きを巡っては、保有資産の将来的な取り扱い方針に対する関心も高まっている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は2025年3月の大統領令により、没収した暗号資産を売却対象外として管理するStrategic Bitcoin Reserve(戦略的ビットコイン準備金)の設立を指示した。同大統領令では、納税者の負担を増やすことなく保有分を維持・確保していく方針が掲げられている。
一方で、ビットコイン市場は、株式市場の動向や金融政策の不透明感も相まって神経質な値動きが続いている。Arkhamのデータによると、一連の移動を経ても米国政府は依然として300,000 BTCを超える莫大(ばくだい)な資産を保有し続けており、その一挙手一投足は今後も暗号資産全体のセンチメントを左右する重要な要因となりそうだ。
























